
WordPressテーマ BusinessPress
WordPressを使えば、ホームページ制作会社に依頼しなくても、自分で会社やお店のホームページを作ることができる。
ただ、そのためには少しのWeb知識は必要かもしれない。
だが、心配することはない。
無料であれ有料であれ、WordPressのテーマはどれも、とても丁寧な解説とテンプレートを用意している。
そして、大事なのはデザインではなく、ページを訪れるユーザーへ、いかに自社の情報を伝えられ、販売につながるかだ。
それを常に考えながら、すっきりとして読みやすく、デザイン的にも優れたホームページを作ろう。
今回は、WordPressテーマ「BusinessPress」を使った、会社やお店の顔となるトップページのカスタマイズと、グローバルナビゲーションやカテゴリーの設定について。
トップページ作成のための準備
トップページは、文字通りウェブサイトの最初のページ。コーポレートサイトなら、企業や店舗の顔、あるいは入口となるページだ。
万が一、訪れたユーザーがサイト内で迷子になってしまった場合、トップページへ戻れば、サイトマップやナビゲーションで目的のページに辿り着くことができる。
そのために、「WordPressで企業サイトやお店の本格的なホームページを作ろう#1 – 準備編」で少しだけ紹介した、「Google検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」に出てくる「検索エンジンにとって重要なナビゲーション」をしっかりと作っておこう。
トップページを制作するには、以下を事前に用意する。
- ロゴ、ヘッダーに使用する画像
- 会社概要(プロフィール)・プライバシーポリシー・サイトマップなど、コーポレートサイトに必要なページ(固定ページ)
- 問い合わせフォーム(固定ページ)
- グローバルメニューに載せるカテゴリー設定
今回テーマとして選定した「BusinessPress」では、インストールから画面カスタマイズまで、マニュアルを用意している。
ロゴ・ヘッダー画像は、企業や店舗オリジナルのものなので、ここでは作成について説明しない。
上記を用意したら、マニュアルに沿ってトップページを作成しよう。
固定ページを使ってプロフィールとプライバシーポリシーを作成
「WordPressで企業サイトやお店の本格的なホームページを作ろう#1 – 準備編」で述べた、コーポレートサイトに必要なページのうち、プロフィールとプライバシーポリシーは、パソコンのWordで文章を作成する感覚で作ることができるので、さっそく作成してみよう。
プロフィールの作成
最初は会社概要、プロフィールのページを作成する。
ダッシュボードの「固定ページ」から「新規追加」をクリックすると、すぐにページ作成画面になる。
まずは、タイトルとパーマリンクを設定しよう。
一般的に、会社概要なら「profile」または「company profile」となるが、パーマリンクはできるだけ短くわかりやすい方が良いので、「profile」としておき、ページタイトルに「会社概要|Company Profile」と日英表記にしておけば良い。
左上の「+」ボタンで、挿入したい項目を選ぶことができるので、まずは見出しを選択する。すると、文章作成ブロックにボックスが出て、その中央に「H2」とあるので、そのまま使用する。
見出しには重要度順にH1〜H6まであり、文章のタイトルがH1、その次の大見出しがH2となる。見出しはSEOにとって重要だ。
最初の大見出しを「会社概要」としたら、企業の概要となる情報をWord感覚で書いておこう。
デモサイトでは、筆者の会社の会社概要をそのまま書いておいた。
プライバシーポリシーの作成
WordPressでは、デフォルトで固定ページに「Privacy Policy」ページが用意されている。この内容を見てみると、テーマによっては英文になっているので、新たに作成しなければならない。
だが、WordPressはとても親切だ。
ダッシュボードの「設定」の中に、「プライバシー」というタブがある。
ここをクリックすると、プライバシーポリシーの作成について、設定方法とテンプレートが用意されている。
「今までプライバシーポリシーを書いたことがない」という方は、ここのテンプレートをそのままコピペして、固定ページの新規作成画面に貼り付けて編集しよう。
ページ上部の「設定」タブで「新規プライバシーポリシーを作成する」の右側、「生成」ボタンをクリックすると、固定ページ編集画面に移動し、テンプレートの内容がすでに書かれている。
あとは、会社名その他適宜変更すべき箇所を修正すれば、それでプライバシーポリシーが出来上がる。
忘れてはならないのは、会社概要と同様にパーマリンクの設定だ。
最後に、トップページ用の固定ページも作成しておこう。この時点では、トップページのタイトルだけの空のページで良い。
プラグインを使ってサイトマップと問い合わせフォームを作成
WordPressでは、「プラグイン」という拡張機能をインストールして、さまざまな機能を追加することができる。
コーポレートサイトで必須の問い合わせフォームや、ウェブサイト全体の目次となるサイトマップは、プラグインを利用すれば簡単に作ることができるので、さっそく必要なプラグインをインストールして作ってみよう。
「Contact Form 7」を使って問い合わせフォームを設置
最初は問い合わせフォームを作成しよう。
問い合わせフォームを設置するには、「Contact Form 7」というプラグインを使用する。
ダッシュボードの「プラグイン」→「新規追加」を選び、「プラグインの検索」窓で「Contact Form 7」と入力して検索。
探しているプラグインが見つかったら、「今すぐインストール」→「有効化」のボタンをクリックする。
インストール済みプラグインの一覧に「Contact Form 7」が表示されるので、設定をクリック。
ダッシュボードに「お問い合わせ」という項目が追加されるので、画面上部の「新規作成」をクリック。
すでに簡単な問い合わせ項目ができているので、タイトルだけ入力して保存すると、下記画像内のようなショートコードが生成されるので、これをコピーして固定ページの新規作成を行う。
固定ページ編集画面で、タイトルを入力し、文章編集画面に先ほどのショートコードを貼り付ける。パーマリンクを設定して公開すれば、以下のような簡単な問い合わせフォームの出来上がりだ。
コンタクトフォームではさまざまなタグが用意されていて、これらを利用するとより詳細の問い合わせフォームを作ることができるので、試してみよう。
「WP Sitemap Page」を使ってサイトマップを設置
ウェブサイトのサイトマップには、ユーザー向けの目次となるサイトマップと、検索ロボットのためのXMLサイトマップがある。
ここでは、ユーザー向けのサイトマップを作成して、ナビゲーションの項目に加えよう。
問い合わせフォーム同様、サイトマップ作成のためのプラグイン「WP Sitemap Page」を使用する。
プラグインの新規追加から、「WP Sitemap Page」をインストール→有効化すると、設定項目にWP Sitemap Pageが追加される。
画面上に表示されている、
サイトマップを表示するには、任意のページまたは投稿で[wp_sitemap_page] を使用します
の、ショートコードをコピーして、固定ページを新規作成し、編集画面にペーストする。
これだけで、新規に記事を作成するたびに、サイトマップに記事タイトルとリンクが自動的に作成される。
現時点では、まだ固定ページしか作成していないが、以下画像のように表示された。
グローバルナビゲーション作成の準備①:カテゴリー設定
続いて、ウェブページの上部に表示されるグローバルナビゲーションを作成するため、メニューに表示されるカテゴリーを決める。
「投稿」→「カテゴリー」画面で、新規カテゴリーを追加していく。
「名前」は、メニューに表示されるカテゴリー名、「スラッグ」は、いわゆるカテゴリーのパーマリンク名だ。URLに表示されるので、カテゴリーがわかるように半角小文字で決めよう。
「親カテゴリー」は、すでに追加したカテゴリーをメインカテゴリーにし、追加するカテゴリーをサブカテゴリーとする場合に使用する。親カテゴリーを持たない、独立したカテゴリーなら、設定する必要はない。
「説明」は、カテゴリーページにジャンプした時、タイトル下に表示される、カテゴリーページの説明文となる。
デフォルトカテゴリーが用意されているので、これは編集で会社のメインとなるようなカテゴリーに変更しておこう。
画像は、筆者会社のウェブサイトをもとに作成したカテゴリー一覧だ。
この後、このカテゴリーや固定ページをもとに、各種メニューを作成していく。
グローバルナビゲーション作成の準備②:メニュー作成
ウェブサイトのメニューには、
- ヘッダーメニュー
- フッターメニュー
- その他必要と思われる箇所へ設置するメニュー
がある。
グローバルナビゲーションとは、全ページに共通するメニューのこと。一般的には、ページ上部のヘッダー部分に表示されるメニューを指す。
グローバルナビゲーションは、サイトマップ同様、ユーザーが訪れたい場所へ、的確に早く誘導するためのもの。上記で設定したカテゴリーを使うことが多く、わかりやすい単語で設定する。
フッターメニューも、全ページに共通するメニューなので、グローバルナビゲーションと同類となる。
ただし、フッターメニューには、
- プロフィール
- プライバシーポリシー
- サイトマップ
など、企業情報ページのみにとどめておくのが一般的だ。
「お問い合わせ」については、ヘッダー、フッターメニューともに設置するのが良いだろう。
ヘッダーメニュー作成
まずは、ページ上部に表示されるヘッダーメニューから。
ダッシュボードの「外観」→「メニュー」画面の「メニュー構造」で、メニュー名(Header、Footerなどわかりやすい名前で)をきめ、「メニュー設定」で設置箇所を決めて「保存」をクリック。
続いて、「メニュー項目を追加」箇所で「カテゴリー」を選択し、作成した各カテゴリーを選ぶ。
この時、親カテゴリーと子カテゴリーの設定がある場合、子カテゴリーをプルダウンで開き、「⚪︎⚪︎下の階層」をチェックすれば、サブカテゴリーとして設定される。
その他、どのページからもトップページに戻れるよう、トップページを追加しておこう。名前はTopでもHomeでも良い、ウェブサイトのトップページを示す単語にしておこう。
フッターメニュー作成
フッターメニューも、ヘッダーメニュー作成と同じ手順となる。
ただし、上述の通り、フッターメニューには企業情報ページにリンクするメニューとなるので、すでに作成した固定ページ全てを選択する。
「メニュー構造」では、ドラッグして位置を変更することができるので、必要順に並べ替えておこう。
デモサイトでは、ナビゲーションラベルを書き換え、全て英語表記にしておいた。
全てを網羅したトップページの作成
ここまで用意できれば、トップページのデザインは決まったようなものだ。
ダッシュボードの「外観」→「カスタマイズ」を選び、カスタマイズ画面の「ホームページヘッダー」を選択する。
ここでは、
- 背景画像
- 見出し
- テキスト
のほか、ヘッダー内に設置するボタンを作成することができる。
見出しはウェブサイト名、テキストにはどんなウェブサイトなのかがわかる、その会社を端的に示すテキストを入れておこう。
注釈で書かれている通り、HTMLタグが使用できるので、文章を改行させたいところで<br />タグを入れることができる。
全て設定できたら、上部の「公開」ボタンをクリックすれば、まだ記事は作成されていないが、ウェブサイトの体裁は整った。
ちなみに、デモサイトをブラウザに表示させると、筆者の会社サイトのトップページに合わせ、少し簡素化したが、すっきりとしたトップページになった。
しかし、ホームページヘッダーができただけで、まだその下には何も書かれていない。筆者の会社サイトのように、カードスタイルのデザインでメニューを作ったり、最新情報を載せたりと、トップページに必要な情報を掲載しなければならない。
ある程度記事ができたら、最新の投稿や人気記事などをトップページに並べるのも良いだろう。
固定ページの編集ページの左上、「+」をクリックすると、さまざまなフォーマットを追加することができる。
まとめ
ウェブサイトのトップページには、ユーザーのサイト内移動を想定して、さまざまな情報にアクセスできるツールを用意することが必須だ。
このことは、全ページに共通するヘッダー、フッターにも共通する。
今回は、WordPressテーマ「BusinessPress」を使用して、トップページ他各固定ページとグローバルナビゲーションを作成した。
前回ご案内した各種テーマでも、このテーマ同様、それぞれのテーマの特徴に合ったウェブサイトづくりができる。
しかし、これでウェブサイトが完成したわけではない。
大事なのは、企業やお店の商品紹介や、販売戦略、認知度アップのための各種施作だろう。そのために、記事をどんどん追加していくことが必要だ。また、ウェブサイト一本では足りないかもしれず、SNSとの連携やSEO対策も必要となる。
WordPressを使えば、ウェブサイト制作は簡単に始められるが、制作作業は企業が存続する限り続くということ。そのため、会社や店舗内にウェブマスターなるスタッフを決めて、作業に集中できる環境を用意することも大事だろう。
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