シチリア・アマルフィ・アブルッツォ旅行記7日目|アマルフィ海岸の漁村チェターラ

cetara

アマルフィ滞在2日目。連泊なので少しゆっくりしてもよさそうなものだが、この日も朝から写真取材。それでも昼前には取材を終え、以前から一度行きたいと思っていたチェターラのレストランSt Pietroへ向かった。この日は完全にプライベートな1日だ。

【シチリアからアマルフィへの移動については↓↓↓】

シチリア・アマルフィ・アブルッツォ旅行記6日目|シチリア~アマルフィ

シチリア・シラクーザとラグーザで十分に取材し、この旅行の目的の一つは達成できた。次の目的はアマルフィだ。会社のウェブサイトで、アマルフィ・アルベロベッロ・マテーラ南イタリア3都市プランを紹介していることもあり、より充実した資料が必要と思い、この旅行の目的に加えた。


チェターラには行かなければならない理由があった

「ガルム」という言葉を知ったのは、もう20年以上前だろうか?あるTV番組で南イタリアの特集をしていたときだ。アマルフィ海岸のとある小さな漁村と、そこの主要産業であるカタクチイワシ漁が紹介された。そして、古代ローマから使用されてきたと言われるカタクチイワシの魚醤づくりと、それをメインに使用しているレストランが紹介されたのだ。

その村はチェターラ、そしてそのレストランはSt Pietroだ。

St Pietroで必ず注文されるという、ガルムであえたパスタをTV画面越しに見たとき、「いつかこの村を訪れて食べたい」と思った。

その頃は日本でガルムなど手に入らなかったが、その後輸入食材も様々な国の様々なものが手に入るようになり、このガルムも成城石井などで販売されるようになった。いつか見たTV番組を思い出して購入し、覚えているままガルムを使ってパスタを作ってみた。

タイのナンプラーとも違うイタリアの魚醤であえたパスタは、確かに美味しかった。

しかし、どこか違う・・・

TVで見た時に感じたような美味しさではない。そう思ったのち、いつしかガルムに対する思いも薄れてきた。

その後も仕事でイタリアを訪れる機会は何度もあったが、アマルフィ海岸を通ることはなく、まして個人的事情でそこに立寄れるようなことはなかった。

今回、自分自身の夏休みと取材したい町を選んでイタリア旅行を計画するとき、アマルフィは最初から訪れる予定に入れてあった。そして、同時に20年以上前に見たTV番組のことを思い出し、チェターラ訪問を予定に入れたのだった(以下記事参照)。

シチリア・アマルフィ・アブルッツォ旅行記1日目|成田~ヴェネチア

毎年出張でイタリアへは出かけているが、添乗員として出かけるとなるとあちこち自分の希望通りに訪れることができない。ある年、添乗の仕事がないので夏休みを兼ねて、今自分が最も見てきたいイタリアを見てこようと計画した。この度の旅行記は、業界以外の一般の人が行くイタリア旅行の参考にはならないかもしれない。だが、旅行のプロの目線で見て、食べて、感じてきた、ガイドブックにはあまり出ていないイタリアを紹介しようと思う。

日本でガルムは手に入るけど、あのパスタは日本では食べられない、だから行こう!

ミシュランでは「そこで食事をするために旅行する」とされるレストランが、三ツ星に格付けされる。旅行の目的というものは、きっとこういうことなのだろう。

自分自身にとって、チェターラのSt Pietroは三ツ星レストランで、行かなければならない理由があった。

ガルムで有名なチェターラのレストラン

さて、アマルフィのホテルにチェックインした日に、翌日訪れる予定のレストランについてPCで下調べをした。

初めて訪れるのだから予約をしたほうが良いだろうと考え、このレストランのホームページを確認したが、イタリア語のみのサイトだった。ここから想像する限り、店では英語は通じなさそうだ。

そこで、ホテルのフロントに依頼して、電話でランチの予約を入れてもらった。

翌日、中心の広場Piazza Flavio Gioiaに面した旅行会社兼観光案内所でバスのチケットを購入してチェターラへ。片道45分のアマルフィ海岸ドライブに出かける。

チェターラは典型的なアマルフィ海岸に点在する村のひとつで、小さな漁村だ。海岸沿いの道路からバスは左に曲がり、チェターラに入った。
調べておいた、少し高台になっているバス停で下車すると、そのすぐ下が目指していたSt Pietroだった。後ほど分かったが、入口はここではなかった。

予約していた時間にはまだ早いので、少しぶらぶらと歩いてみる。ビーチで使用するものをあれこれ売っている小さな店があって、なんとなく昭和なイメージだ。
目抜き通りらしき道を歩くとすぐに海岸に出る。港の先まで歩いて、チェターラ全体の様子を一枚カメラに収めた(冒頭画像)。

再び海岸から町中へ戻り、目抜き通りらしき道を歩いた。すると、レストランの表玄関へ通じる階段にたどり着く。カラフルなタイルで作られた看板に「St Pietro」の文字が見えた。

st pietro
出迎えてくれたスタッフに予約している旨を伝えると、すぐにテラス席に案内してくれた。大きな木陰に建っているので風が涼やかだ。
スタッフはどうやら英語が話せるようなので、さっそく自分たちがガルムのパスタを食べに来たと伝えた。スタッフもわかっていたようで、うなずくとすぐにガルムのボトルと白い皿を持ってきた。
そして「これはColatura di Alici(カタクチイワシの魚醤)というんだ。こうしてオリーブオイルと一緒に乳化させて、それをパンにつけて食べるとその味がよくわかるよ。」と、手際よくそれを作りながら説明してくれた。言われるまま、パンにつけて食べてみる。確かに、日本で購入した時に食べたときはこんなことはしなかった。ただガルムをあえるだけではなかったのか・・・

colatura
これがガルム
ほどなくして、お待ちかねのガルムのパスタ(Vermicelli alla Coratura)が来た。

Vermicelli alla Coratura
これがずっと食べたかったパスタだ・・・、先ほどパンで確認した味がパスタに絡まって口の中に広がる。とてもシンプルなパスタなのに、ペペロンチーノやカルボナーラとは違う深い味わい。ようやくここにたどり着いたという思いだ。

これだけでもう満足だったが、パスタは前菜だ。メインはスタッフのおすすめでその日の鮮魚を自分で選ばせてもらい、レモンソースのソテーにしてもらった。

このレストランでは、食後はコーヒーではなく、この地方のリキュール、レモンチェッロを飲むのだと聞き、言われた通りにした。爽やかな味は魚料理の味をすっきりとさせてくれた。




アマルフィの花火

食後、再びバスでアマルフィへ。来るときに下車したバス停へは、入口とは違う階段を上がると出られるというので、その階段へ向かった。
その途中に厨房の入口があり、そこからひょっこりと日本人の男の子が出てきた。まさかこんなイタリアの小さな漁村で日本人に会うことなど思いもよらず、ぶしつけにここにいる理由を聞いてみたところ、このレストランで修業をしているのだという。
料理人を目指してイタリアへ来る人は多いだろうが、それくらいこのレストランは有名なのだろうと納得した。

アマルフィに到着。あらかた取材は終了しているので、アマルフィでの滞在をのんびりと満喫するつもりで、ショッピングを兼ねて夕方の目抜き通りをぶらぶら。

昼食の量が多かったので夕食は軽めにと、シーフードのフリットとスーパーで求めた白ワインと惣菜を購入。ホテルの部屋でゆっくり食事をするつもりだ。
ドゥオーモではちょうど結婚式が行われていたようで、広場に面した大階段を下りてくる2人を観光客が祝福する光景に出会った。我々も目の前のバールに陣取りながらそれを祝福し乾杯。
その後は大道芸人のパフォーマンスが始まり、夕暮れのアマルフィは観光地らしい盛り上がりを見せた。

firework
ウェディングに立ち会えたり大道芸人のパフォーマンスも見れたので、すっかり暗くなった道を海沿いにホテルに戻ろうとしたその時、ちょうど海岸あたりから花火が上がり始めた。急きょスマートフォンでそれをカシャッ。しばらくイタリアの夏の花火を満喫してホテルへ。

思いがけないことの連続だったアマルフィ滞在だった。
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