添乗員が個人でめぐるイタリア旅行記 #8|アマルフィからアブルッツォの拠点スルモーナへ

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スルモーナ・アヌンツィアータ

スルモーナ・アヌンツィアータ

今回のイタリア視察旅行はすでに半分を過ぎ、後半に入った。

前半のシチリア、アマルフィ海岸での滞在までは順調に視察できた。

この日は、今回のメイン目的であるアブルッツォ州へ向かう。

アマルフィから、アブルッツォの最初の宿泊地スルモーナまで、ほぼ一日かけての移動だ。

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イタリアの新幹線Frecciarossaは実にかっこいい

Frecciarossa

来た時と同じBarbaro Car Serviceのベンツが、ホテルへ予約時間通りお出迎え。

ドライバーも、来た時と同じ、アントニオだ。さっそく乗り込んで、サレルノ駅まで約1時間、朝のアマルフィ海岸ドライブが始まる。

夏の陽差しはすでに高く、複雑に入り組んだ海岸線の水面を照らしつけ、まぶしく美しい。

前日、同じ道をチェターラ往復の際バスで途中まで通った。だが、細い道はセダンでドライブするほうが、より快適なのだとわかった。

バスだとカーブでは車体が傾き、少しあぶなかっかしい。そうこうしているうちに、あっという間にサレルノ駅に到着。

列車の時間より少々早く到着したため、サレルノ駅のバールでエスプレッソをオーダー、一息ついてからホームへ向かう。

すでに予約していたFrecciarossaがホームに到着していたので、号車を確認して車内へ乗り込む。ヴェネチアからローマまで利用したFrecciargento同様、ファーストクラスだ。

イタリアの最新型車両は、実にかっこいい。

サレルノ〜ローマ間はわずか2時間、そんな短い区間で最新車両を利用するのは、もったいないくらいだ。しかし、その後ローマからアブルッツォの中心・スルモーナへ移動するために、この移動は欠かせない。

先頭車両外観

先頭車両外観:ローマ到着時

ファーストクラス車内

ファーストクラス車内

ビュッフェカーの様子

ビュッフェカーの様子

ほぼ定刻通り、ローマ・ティブルティナ駅に到着。非常に現代的な駅だ。

日本のターミナル駅同様、ホームからエスカレーターで2階に上がり、広いアーケードはエキナカになっている。後でわかったのだが、この駅は地上4階、地下まであった。

スルモーナ行きの列車時刻まで時間があるので、「昼食を…」とエキナカの店を物色。

とはいっても、日本のエキナカほど充実しているわけではなく、カフェか、簡単なフードコート程度しかない。とりあえず、カフェでパニーニとコーヒーの簡単な昼食を取った。

時間になったので、スルモーナ行き(ペスカーラが終点の快速列車)のホームを目指す。

しかし、ホームによって、さらに上層階へ上がったり下がったりの、とても複雑な駅だとういことがわかった。

やっと目的のホームに到着したのは発車5分前だった。急いで乗車する列車を撮影し、全席自由席のディーゼル列車に乗り込んだ。

スルモーナまでは約3時間、のんびりとした鉄道の旅だ。

途中、イタリアが誇るアブルッツォ国立公園の山々を縫うように列車は進む。勾配が急だから、電車ではなくディーゼル車を走らせているのだろう。

それにしても、イタリアの普通列車はどれも、なんといたずら書きが多いことか…(下画像参照)。

スルモーナ行きの快速列車

スルモーナのホテル Santacroce Hotel Ovidius

スルモーナに到着したのは午後4時過ぎ、サマータイムのためまだ夏の太陽は真上に近いくらいだった。

予約していたSantacroce Hotel Ovidiusは、駅から最も近いホテルということで予約した。地図を見る限り、簡単に歩けるだろうと思いきや、歩けど歩けどなかなか見えてこない。

道は一本道の緩やかな坂道で、おまけに2週間分のあれこれを詰め込んだスースケースは重く、約20分ほどでやっとホテルに到着。すっかり汗だくだった。

このホテル名は、スルモーナ生まれの古代ローマ詩人の名をとってつけられた。ラテン文学の名作「変身物語」の作者とのこと。

出迎えてくれた、フロントの若い男性スタッフは、流暢かつ聞き取りやすい英語で部屋の説明、レストランの紹介、スルモーナの町の案内をてきぱきと説明してくれた。

早くチェックインしてシャワーを浴びたいので、早々に説明を聞いてアサインされた部屋へ。

Hotel Ovidius

アブルッツォには、当社が提携している現地手配会社の契約ホテルが少なく、スルモーナには契約ホテルが1軒もなかったので、ネットで探して直接予約した。

駅からだいぶ歩いたものの、チェックインしてすぐ、このホテルは「当たり」だと感じた。

4つ星ながら宿泊代はリーズナブル、なのに部屋の設備は、今回の出張で使ったホテルの中でピカイチだ。部屋にはアブルッツォのワイン、モンテプルチアーノ・ダブルッツォのボトルが置いてあった。後で聞いたところ、宿泊者へのプレゼントなのだそうだ。

さらに後々わかったことだが、スルモーナのような周りを山に囲まれた街では、「Mountain View」が売りらしい。宿泊した部屋は、アブルッツォの山並みが良く見える、まさにMountain View。朝に夕に変化する、アブルッツォの険しい山々を眺められたのは、とてもラッキーだった。

一通り町を視察すると、夕食の時間になる。

どこで夕食を食べたらよいかわからなかったし、朝から移動ばかりで少々疲れてもいた。

だが、幸いにもホテルは4つ星クラス、レストランもある。それなら、食事後すぐに部屋で休むことができると思い、フロントで「本日のレストランのテーブルは空いているか」と尋ねた。

スタッフの回答を得る必要もなく、この日のレストランはがら空き。他の宿泊者は、おそらく町なかのリーズナブルなバールやレストランを探しに、でかけたのだろう。ホテルで食事をする食事をするのは、自分たちだけだった。

2週間、節約しながらの旅行の、たまの贅沢だ。

Hotel Ovidius 前菜の前菜

前菜の前菜

Hotel Ovidius 前菜 ハムとチーズの盛り合わせ

前菜 ハムとチーズの盛り合わせ

Hotel Ovidius ポルチーニ・パスタ

ポルチーニ・パスタ

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アブルッツォ州スルモーナというところ

アブルッツォ州は、スルモーナがあるラクイラ県、ペスカーラ県、テーラモ県、キエティ県からなる、イタリアのほぼ真ん中にあるアドリア海側の州だ。

反対の地中海側は、ローマがあるラツィオ州と隣り合っている。

ラクイラ県の県都は、実はスルモーナではなく、ラクイラだ。

今回の旅行で、アブルッツォの拠点として、イタリア半島を縦断するローマ〜ペスカーラ路線のちょうど中間に当たるスルモーナを第1の拠点、その後アドリア海沿いをめぐる第2の拠点として、ペスカーラを選んだ。

本来なら、第1の拠点は、ラクイラにしたかった。

アブルッツォを訪れる第1の目的は、あの地震で被災したラクイラを訪れることだったからだ。

だが、ラクイラは震災から5年(訪問は2014年)たっても、まだ完全には復旧していないようで、事前に安心して宿泊できる宿泊施設を探すことができなかった。

スルモーナはラクイラ県第3の都市。

結婚式に欠かせない、アーモンドに砂糖を絡めた「コンフェッティ」というお菓子が有名な、中世の町並みを色濃く残す町だ。

また、今後書く予定だが、夏には「Giostra Cavalleresca」という、古代の騎士の姿で、馬に乗って槍で試合をするという祭りがある。

コンフェッティ店

コンフェッティ店

町の中心には、バロック様式のアヌンツィアータが堂々とそびえ立っている(冒頭画像)。

その奥、ガリバルディ広場の入り口にかかる21のアーチを持つ橋は、1256年完成の水道橋だ。

広場の反対側には、歩き疲れた時に立ち寄りたいジェラッテリアがある。

ホテルのスタッフが教えてくれた店だ。有名な店のようで、ジェラートを買うのに並ぶこととなった。

スルモーナのジェラート店

画像ピスタチオとピーチのジェラート

画像の色は悪いがピスタチオとピーチのジェラート

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