添乗員が個人でめぐるイタリア旅行記 #12|アブルッツォ・キエティ県の知られざるリゾート、ヴァスト

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ヴァスト旧市街

アブルッツォ滞在の日程も、残り少なくなってきた。

ペスカーラから最後の日帰りは、キエティ県のヴァストへ。

日本出発前は、その町の名前さえ知らなかった。前日訪れたランチアーノの観光案内所で見つけた、近隣各都市のパンフレットを見て、急遽行ってみようという気になったところ。

長年イタリアを見てきて、こういった資料の第一印象がツアー造成に役立ってきたので、気になったところは訪れておくことにしている。

そもそも旅はそのようなもの、事前に決めたスケジュール通りにいかないのが旅行だと実感した。

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アドリア海のリゾート

前日同様、アドリア鉄道を利用してペスカーラからヴァストへ。朝から直通の列車に乗ることが出来た。

ヴァストは、ラファエロ前派の画家、ダンテ・ガブリエレ・ロッセッティが生まれた町として知られている。アドリア海に面したマリーナ地区と、丘の上にある旧市街に分かれた町だ。

2つの地区は、バスで10分ほど離れている、なかなか珍しい町。

駅に着くと、バスが1台停まっていた。聞くと、このバスは旧市街行きだという。

すぐにも発車しそうなのだが、あいにく乗車券を買う小銭を持っていなかった。運転手もおつりがないのか、「タバッキ、タバッキ」と繰り返し言っている。

どうやら、駅の入口にあるタバコ屋でチケットを買って来い、ということらしい。発車間際なので急いでタバコ屋でチケットを購入し、どうにか旧市街行きのバスに乗ることが出来た。

バスはマリーナ地区を通って、丘の上にある旧市街へ向かう。

バス通りの途中には、大型のリゾートホテルが何軒も並んでいた。訪れたのはちょうどサマーシーズンだったので、「日程を延長してマリーナ地区に宿泊したい」という気持ちに心惹かれながら、そのまま旧市街へ。

15分ほどで中心のロッセッティ広場に到着。

前日収穫したパンフレットで見た通りの光景が広がっていた(冒頭写真)。

筆者は、仕事でヨーロッパの街並みをスケッチするグループ旅行を手掛けているが、まさに格好の町だと思った。すぐに細い路地を歩き回る。

特筆すべきは、冒頭写真のカステッロ、そして、海が一望できるアドリアーティカ通りに建つ、13世紀のファサードを持つサン・ピエトロ教会だ(下写真)。

サン・ピエトロ教会1

サン・ピエトロ教会2

一度細い路地に戻って歩き続けると、この町の大聖堂が見えてきた。

ひときわ高い鐘楼の上部は、金属の飾り細工になっている。

ヴァストの大聖堂

サン・ピエトロ教会と言い、この大聖堂と言い、普段イタリアで見られる建築様式とはだいぶ違うようだ。

アブルッツォの建築様式は、独特だった。

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ヴァストでのランチ

一通り取材がすんだので、アドリアティーカ通りに戻り、その広場にあるレストランIl Principe Abusivoでランチ。ちょうどお腹がすいてきたところだ。

ヴァスト マリーナ地区

レストランIl Principe Abusivo

海の幸が名物のペスカーラに滞在中にもかかわらず、ペスカーラではシーフードをほとんど食べていない。

気持ちはアマルフィからAlici(カタクチイワシ)を引きずったままなので、ここでも前菜はいわし。マリネは酸味が程よく、疲れた体にとてもいい感じだ。

カタクチイワシのマリネ

続いて頼んだパスタは、海の幸のリゾットとムール貝のパスタ。それにいつものビールで満足だ。それにしても、パスタがうまい。

隣のテーブルでは、大人数の家族がみんなでバーベキューのような肉のかたまりを囲んでいた。海辺で肉とは…、イタリア人はいつも自由だ。

海の幸のリゾット

ムール貝のパスタ

食事がすんだら、来た道を戻る。

途中、マリーナ地区でスーパーを見つけたので途中下車し、本日の夕食になりそうなものをあれこれ買い込んだ。

明日はアブルッツォを離れ、再びヴェネチアへ向かう予定だ。

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