シチリア・アマルフィ・アブルッツォ旅行記5日目|ラグーザにて

ragusa
イタリア取材5日目はシラクーザからラグーザへの日帰り旅行だ。シラクーザ同様、ラグーザも以前撮影してPCに保存していた画像が全部消えてしまったので、撮り直しのための訪問だった。ユネスコ世界遺産都市にも登録されているラグーザは、とにかく美しい町だ。

【4日目 シラクーザ旧市街めぐりの様子は↓↓↓】

シチリア・アマルフィ・アブルッツォ旅行記4日目|じっくりシラクーザめぐり

イタリアに到着してから初めて3連泊するシラクーザ、チェックインした翌日は、ユネスコ世界遺産にも登録され、シチリア一美しい町ともいわれているこの町で一日ゆっくりと取材した。失った過去の画像を取り戻すべくシラクーザをあれこれ撮影した後は、海辺のカフェ風レストランで初めてのシチリア料理に舌鼓。


ラグーザで取材

ラグーザは、周辺の8つの町(カルタジローネ、ミリテッロ・イン・ヴァル・ディ・カターニア、カターニア、モディカ、ノート、パラッツォーロ・アクレイデ、ラグーザ、シクリ)を含め「ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々」としてユネスコの世界文化遺産に登録されている。登録基準は1693年に起こったヴァル・ディ・ノート大地震後、登録された町全てをバロック様式で統一された建物で再建されたことによる。大地震前はシラクーザ同様、古代ギリシャの影響を色濃く残す街並みだったそうだが、この再建による町並みは石材は同じようでも、似ているようで似ていない。

後日訪れたアブルッツォのラクイラも、2009年の大地震によって町はかなり崩壊した。しかし、きっとこのラグーザのように見事に再建されることだろう。
同じ地震大国の国民として、このようなイタリアの各町にはシンパシーを感じるばかりだ。

ラグーザ県都のラグーザは、深い渓谷の中に浮かび上がった、まるで島のような形状(上記画像参照)をした旧市街ラグーザ・イブラが美しい町。筆者の会社のコンテンツのひとつ、スケッチを目的とした旅行においても人気の町のため、後々の資料として出来るだけ多くの写真を撮っておいた。

もうひとつの丘の高台にある新市街ラグーザ・スペリオーレとラグーザ・イブラをつなぐのは、サンタ・マリア・デッレ・スカーレというつづら折りの階段。この入口から眺めるイブラがとても絵になるため、以前と同じアングルで一枚。

old_ragusa
ほぼ同じアングルで撮っているのだが、上と下を比べると、手前のサンタ・マリア・デッレ・スカーレ教会の壁材の色が真新しくなっている。中世からの街並みであるだけに真新しいのはちょっと...と思ったが、これもまた長い年月をかけていい色具合になっていくのだろう。

個人的に好きなのは、サンタ・マリア・デッレ・スカーレを降りたあたりにあるサンタ・マリア・デリトリア教会(下画像)。17世紀にマルタ騎士団が建てたと言われ、カルタジローネ産陶器の碧いタイルを組み合わせて作られたクーポラが、周囲の緑と調和されて美しい。

サンタ・マリア・デリトリア教会

イブラの中心は、ドゥオモ・ディ・サン・ジョルジョ。

ドゥオモ・ディ・サン・ジョルジョ1

円柱の装飾によるファサードが特徴的だが、この教会の美しさはドゥオモ広場へ向かう小路から見えるドームの鐘楼、つまり教会の裏側から見る景色だと思っている。

ドゥオモ・ディ・サン・ジョルジョ1

幸い天気がよく、スペリオーレ、イブラともに多くの撮影が出来た。ここで全て紹介することはできないので、いつか別の機会にラグーザの写真を公開しよう。

トラットリア「Ai Lumi」でランチ

ラグーザに着いたのち、新市街スペリオーレから旧市街イブラへはバスで移動。地元の交通機関を使いこなすのが、旅を楽しむ醍醐味だ。バスはカテドラル前の広場で停まった。ちょうど昼時なので、取材は食後と広場周辺で食事をできるところを物色する。

何しろ2週間という長い旅行なので、毎日行き当たりばったりにレストランに入っていては旅費が底をついてしまう。なるべくリーズナブルな、それでいてその土地らしいものを食べたいと思って探したところ、広場の角に日陰になった涼しげなテラスのあるトラットリアがあったので、入ってみることにした。

ai_lumi
シチリアの食事はとにかくボリュームがすごい。どこでもパスタは山盛り、皿が空になると「アンコーラ?(もう少しいかが?)」と聞いてくる。
このトラットリアは量もほどほどで、どれも美味かつ日本人好みの繊細な味だった。

テーブルには必ずパンが置かれるが、シチリアのパンは他の地方とはちょっと違う。外はカリッとしていながら、中はとてももっちりしている。これは硬質小麦、特にセモリナ粉を使用しているからだそうだ。そのため、中は少し黄色がかっている。

トラットリア「Ai Lumi」1

特に美味しいのはパスタ。下画像のピスタチオとセージのソースのリコッタチーズ入りラビオリは、シチリアを代表するシチリア産ピスタチオを使用している。
これがとても美味だったので、食後にこのピスタチオソースがどこかで販売していないかと探し、運よく近くの食材屋さんで見つけることが出来た。

トラットリア「Ai Lumi」2

トラットリア「Ai Lumi」3

パスタ2種にサラダ、それに暑さをしのぐ冷たいビールだけの軽めのランチだったが、このトラットリアは昼、夜ともに人気のようだ。周囲のリストランテは観光地料金のところもあって選択に注意が必要だが、ここならドゥオモ広場にあってリーズナブル、文句なしのトラットリアだろう。
(訪れた時はトラットリアと書いてあったが、ウェブサイトを確認する限り現在はリストランテとして営業している。)

シチリアの鉄道事情

このラグーザ日帰りには、ちょっとしたハプニングがあった。

シラクーザから各駅停車で1時間少々、電車で十分日帰りができると考えたのだが、まずは行きの電車でトラブルが発生した。
ラグーザの少し手前、あと少しで到着すると思っていたモディカという駅に停車した途端、駅員が突然「フィニッシュ、フィニッシュ」と叫びだした。何事かと思い窓から顔を出すと、この電車はここまでで、ここから先はバスで振替輸送するという。

「まぁイタリアだし、こんなこともあるだろう」と思いつつ用意されたワゴンに乗せられラグーザまで。一応ラグーザ駅前まで送ってくれたので一安心したが、帰りはどうなるのか尋ねたら、やはり列車の時刻に合わせてモディカまで振替輸送をするとのこと。それなら予定していた時間に駅に戻ってくれば良いと考え、のんびり取材に出かけた。

取材を終えて駅に戻り列車の時刻まで待っていると、約束の時間に少し遅れはしたがワゴンが迎えに来て、モディカまで送ってくれた。
モディカにはすでに列車が到着しており、あとは終点シラクーザまでと思っていたら、今度はその列車の運転手がいないという。

modica
「運転手がいない?」とは初耳だ。
わけがわからないので、我々同様列車内で待っていた英語が少し話せる青年と一緒に、駅係員に確認しに駅事務所へ向かう。
すると、この列車を運転する運転手は今ここにはおらず、こちらに向かっている最中だという。それなら運転手が来るまで待つしかない。

最初は20分くらいといっていた待ち時間が40分になり、さらに1時間となったときには、さすがに不安になって何度か駅員と話をしたのだがらちがあかない。

すっかり暗くなってしまった9時過ぎ、1両のディーゼル機関車が到着して何人か降りてきたうちの一人が運転手らしく、予定の電車の運転席へ向かったので、ようやくシラクーザへ向けて出発した。

シラクーザに着いたのは10時過ぎ。夕食を食べていなかったのでどうしようかと途方に暮れながらホテルまで歩く途中、近くのバールが店じまいをしているところに出くわした。
「何か食べるものはないですか?」と尋ねたら、簡単なホットドックとナスのオリーブオイル焼(のようなもの)をさっと温めて出してくれ、ほっと一息。ホテルに戻ってそれでゆっくり食事をして、ようやく5日目が終了した。

お世話になったバール(翌朝撮影)
バールで足跡に作ってくれた弁当

帰国後鉄道に詳しい同業者に聞いたら、シチリアではこのようなことは日常茶飯事だとのこと。鉄道でシチリアをめぐる際は、日程に余裕を持ったほうがよいと痛感した。
スポンサーリンク

コメント