CentOSのサポート終了による、新たな動きが活発だ。
先日、CentOS後継としてリリースされた代表的なOS、AlmaLinuxとRocky Linuxについて触れたが、Red Hat Enterprise LinuxのフォークとなるVirtuozzo Linux(VzLinux:バーチュオッゾリナックス)最新版がリリースされたので、さっそくインストールして試してみた。
Virtuozzo Linuxとは
Virtuozzo Linux(以後VzLinux)は、約20年間、サーバー仮想化ソフト開発のOpenVZ社とVirtuozzo社の基本オペレーティングシステムとされてきた。
そのOSは、Red Hat Enterprise Linux(以後RHEL)のソースコードから構築したフォークであり、現時点ではCentOSの代替と位置付けられている。
現在、CentOS後継とされるLinuxOSは、以下の通り。
- AlmaLinux
- Rocky Linux
- Oracle Linux(サポート対象版は有償)
- VzLinux
- Springdale Linux
細かいことはわからないざっくり派の筆者は、もともとFedora愛用者でもある。
サーバーとしての利用はないものの、AlmaLinuxやRocky Linuxの、CentOS後継としてのロングサポートや、Fedoraのような、シンプルながらRHELの技術をいち早く取り入れる点などに好感を持っていた。
前回も触れたように、詳しい技術面はわからないが、あくまで「デスクトップとしてどれだけ使い勝手が良いか」が筆者の選択ポイントなので、それを確かめるため、さっそくVzLinuxの最新版8.4をインストールしてみた。
VzLinux8.4のインストールは英語のままで
いつも何の下調べもなく、isoファイルをダウンロード&インストールすれば良いと考えているざっくり派の筆者は、当然のことながら、VzLinux公式サイトから最新版のisoファアイルをダウンロードし、すぐにインストールを行った。
インストールの推奨システム要件は、以下の通り。
RAM:1.5GiB以上
HDD容量:10GiB以上(推奨は20GiB)
インストーラは、RHEL系の他のOSと全く変わりない。そのままインストールが進み、終了時点で再起動をかける。
そして、「まずは更新を」と思い、いつものように端末を開いた。ところが、トップバーに「端末」とは表示されるものの、クルクル回っているばかりで、一向に開かない。
なぜだ?
ここで、やっとググることにした。そして参考となったのが以下記事。
インストール時に日本語を選択せず、「英語のままインストールすべし」と書いてある。
「ん?どこかで聞いたぞ?」
そう、英語のままインストールしたのは「Pop!_OS」だ。
Linuxには、たまにそういうことがあるのかも知れない。
再度インストールし直して再起動後、上記参考記事の通り、端末で以下を打ち込んで日本語環境をインストールした。
sudo dnf install glibc-langpack-ja
再び再起動後、今度は正しく端末が表示された。
VzLinuxの日本語入力設定とレビュー
ここまで来れば問題ない。あとは、日本語入力だけだ。
RHEL系はどれも、日本語入力の設定が簡単。アクティビティから設定を開き、「地域と言語」で以下の通り設定する。
これだけで、半角/全角キーで英語/日本語入力の切り替えができる(一度ログアウト&ログインが必要)。
そして、これ以外特に初期設定をすることがない。
あとは、必要なアプリケーションを「ソフトウェア」からインストールするだけ。デフォルトでインストールされているのは、以下のようにとてもシンプルだ。
「ソフトウェア」のリポジトリで、
- Virtuozzo Linux 8 – Appstream
- Virtuozzo Linux 8 – BaseOS
- Virtuozzo Linux Base
の3点を有効にしておいた。
また、FlathubサイトのQuick SetupでCentOSを選択し、ここからFlathub repository fileをダウンロードし、「ソフトウェア」でインストールした。
これで、最新のアプリケーションがインストール可能となる。
FireFoxの拡張機能も設定しようと思ったが、なぜか、Fedoraでは使えていたGnome shell Extensionsの「Floating Dock」でエラーが出てしまうのが難点。
まとめ
Fedora愛用者の筆者からすれば、RHEL系はどれも、デスクトップOSとしてかなり優秀だと感じる。CentOS後継として、サーバー利用だけではもったいない。
冒頭画像の通り、VzLinuxのデスクトップは、RedHatをイメージしたカラーのエレガントさがある。そういえば、AlmaLinuxやRocky Linuxのデスクトップもシンプルかつエレガントだ。
けっして軽量系Linuxではないけれど、非常に使いやすいOSだということは断言できる。
次は、Springdale Linuxを試してみよう。
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