軽量32bit版ローリングリリースのopenSUSEを試してみた|ざっくりLinux!- 72

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openSUSEデスクトップ2

軽量Linuxで32-bit版は、まだまだある。

DebianやPuppy Linuxに目を奪われ見落としがちなのが、ドイツ生まれのopenSUSEだ。そのローリングリリース版Tumbleweedは、いまだに32-bit版がある。

インストール直後から日本語で使用することができ、細かい設定は不要の32-bit版openSUSE Tumbleweedは、実に使いやすいLinuxディストリビューションだった。

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スペック以上のシステム要件

openSUSE公式サイトでは、通常リリースのLeapのシステム要件しか記載されていない。しかし、ウィキペディアに掲載されているopenSUSEの基本的な機能を利用する際に最低限推奨される条件は、以下の通りと記載されている。

そこで、インテルの製品仕様から、以下プロセッサーの命令セットを確認した。

その結果は、いずれも32-bitのみで動作するプロセッサーだった。

つまり、以下推奨システムは、32-bit版openSUSE Tumbleweedのシステム要件として捉えることができる。

【openSUSEの推奨システム】

  • CPU: Pentium 4 1.6GHz以上(推奨はPentium 4 2.4GHz以上)
  • メモリ:1GB以上(推奨は2GB以上)
  • HDD:3GB以上のHDDまたはSSD(推奨は5GB以上)

一方、筆者が32-bit版Linuxをテストする際使用するPC、Thinkpad X41のスペックは以下の通り。

  • CPU:Intel Pentium M processor 1.50GHz
  • メモリー:924MB
  • HDD:40GB

CPU、メモリともに最小システム要件を満たしていないPCで、果たして軽快に使うことができるのか心配では合ったが、とにかくインストールを試みる。

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インストール後の各種設定は全く不要

openSUSE公式サイトから、インストールファイルをダウンロードする。

前回(以下記事)同様、オフラインイメージ(4.3GB)を選んだので、USBにインストールして起動した。

起動後の画面で、F2キーにより言語を「日本語」に設定する。その後は指示通りに進めれば、インストールは何も問題はない。むしろ、他ディストリビューションのインストーラよりもていねいなくらいだ。

途中でデスクトップ環境の選択画面があり、軽量さを求めてXfceにしておいた。

どこかの記事で、オフラインイメージの場合、インストールに6時間かかったと書いてあったが、それでも再起動まで1時間半かかった。

再起動後の初期画面は、以下の通り。

openSUSEデスクトップ

その後すぐに、パッケージアップデーターの通知が来たので、更新をインストールする。その数は472個、インストールでも時間がかかったが、更新でも時間がかかる。

openSUSEパッケージアップデーター

更新後、改めていろいろ確かめてみる。

まずは日本語入力。すでにMozcがインストール済みのため、なんの設定もなく日本語への切り替えができる。

openSUSE 日本語入力

openSUSE Writer

次にネットワーク。これも、他ディストリビューション同様、ネットワーク内の他のパソコンへのアクセスは問題ない。

各種ソフトウェアについては、以下の通り(2021年5月現在)。

  • FireFox: 88.0.1(32-bit)
  • Thunderbird: 78.10.1(32-bit)
  • LibreOffice: 7.1.3.2
  • GIMP: 2.10.24

32-bitであるにもかかわらず、LibreOfficeは最新バージョンがインストールされている。前回同様、openSUSEのロゴ入りLibreOfficeだからか?

openSUSEのLibreOffice

openSUSEの特徴の一つでもある、YaSTも健在だ。ここから、なんでも設定・管理ができる。ソフトウェアのインストールは、メニューから「ソフトウェア管理」を選ぶ。

openSUSE YaSTコントロールセンター

openSUSEは、UbuntuやFedora同様、インストール後は特に何も設定することがない。最初から日本語表示で、入力切り替えもできる。

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タスクマネージャーで荷重を確認

ここで、肝心の軽量感を確かめてみる。

デフォルトでタスクマネージャーがインストールされているので、更新をインストールしているときに、CPUやメモリへの荷重を調べてみた。その様子は以下の通り。

openSUSEタスクマネージャー1

CPUは100%をキープしたまま下がらない。メモリは一定ではあるものの、低いとは言えない。

次に、ブラウジングをしているときの、タスクマネージャーの様子をスクリーンショットしてみた。

openSUSEタスクマネージャー2

これも、サイトを移動しているときのCPUは高いままだが、それでも30%以下まで下がる時もある。実際の動作としては、やはりパソコン自体が古いので、多少遅いのは否めないが、画面が固まってしまうようなことはない。

最後に、Youtubeのような動画サイトを閲覧している際の、タスクマネージャーは以下の通り。

openSUSEタスクマネージャー3

CPU、メモリともに高いままだ。そもそも、映像は全くなめらかではない。やはり、動画には無理があるようだ。

パソコンの温度までは測定しなかったが、かなり熱くなっていた。

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まとめ

32-bit版だからといって、なんでも軽量かというと、そうではないものもある。

確かに、openSUSE Tumbleweed Xfceは軽量なのかもしれない。通常のブラウジングやオフィス系ソフトを利用している際は、重たさを感じることはない。

しかし、今回試した通り、動画を見るときは荷重がありすぎて、楽しむことはできない。

けれども、普段使いのパソコンとするなら、余計な設定は不要で使いやすいことは確かだ。

やはり、最小システム要件を満たしたパソコンでテストするべきだ。あるいは、自分のパソコンにあったディストリビューションを使うことが大事だ。

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