まだまだある!日本製LinuxのnatureOS 5.0を試してみる|ざっくりLinux!- 27

日本製LinuxのnatureOSデスクトップ

筆者にとって、これまで試したLinuxディストリビューションの中では、Kona Linux Ubuntu Edition (KLUE)が最も使いやすいという結論だった。これであれこれ試すのは終わりにしようと思っていたのだが、調べるとまだまだ日本で開発されたLinuxディストリビューションが出てくる。
その中から、今回はUbuntu 20.04ベースの「natureOS 5.0」をインストールして試してみた。

natureOS 5.0をインストール

インストールファイルは以下からダウンロードする。

ライブCDの部屋

UbuntuやLinux Mintのように開発企業の公式サイトというものではなく、様々なLinuxディストリビューションを紹介している個人サイトで、どうやらnatureOSはこのサイトの管理人が開発したもののようだ。サウンド面においてKona Linux開発者の協力を得ているなど、お互い近しい関係も匂わせている。

とはいえ、2013年にバージョン1.0をリリースして以来コンスタントにバージョンアップを続け、最新の5.0は2020年6月1日にリリースされたばかりだ。
2016年以降開発が止まっているLinuxBeanや、同様に2017年以降バージョンアップされていないVine Linuxを除けば、日本で開発されているLinuxはどれも精力的に開発が続けられている。

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パソコンのOSのほとんどは海外から輸入されたものが多いが、Linuxについては日本でも多くのディストリビューションが開発されていることをご存知だろうか?日本で開発されているので、当然日本語が標準で何かと使いやすいだろう。そこで日本で開発されたLinuxディストリビューションをいくつか紹介する。

インストールに戻るが、やはり最新バージョンはUbuntu 20.04ベースということもあり、64-bit版しかない。今回はこの64-bit版isoファイルをDVDに保存してインストールしてみた。

インストール時のGUI画面はKona Linuxのそれと似ている。はじめから日本語で表示されるので、インストールでつまづくことはない。他のディストリビューションよりも、インストールが始まるのが遅いのが難点なくらいだ。

使いやすい操作性を追求した日本製Linux

インストール後、再起動したデフォルトのデスクトップ画面は冒頭の画像の通り。ほとんどのUbuntu系ディストリビューションと違うのは、メニューが画面右上に集約されていること。

プルダウンメニューのほか、画面右端からスライドして出るアイコンタイプのメニューもある(下画像上)。また、Kona Linux LXDE同様Slingscoldランチャーがあるのは、メインでMac使いの筆者にとっては嬉しい限りだ(下画像下)。反対に、Kona LinuxやUbuntuのようなDockはない。メニューを右上に集約させているのだから、画面下には何もなく、すっきりしている。

日本製LinuxのnatureOSメニュー
日本製LinuxのnatureOSランチャー

natureOSリリースにあたり、開発者は使いやすい操作性を追求して開発を始めたと書いている。ほとんどの人がデスクトップ環境ではマウスを使うことから、そしておそらくは右利き用のマウスが圧倒的に流通していることから、画面右上にメニューを集約させたのだという。

そして、開発の目標は以下2点だそうだ。
  • ポインターの移動量は出来る限り少なくすること
  • ポイントする場所はできるだけ大きくすること
確かにスライドして出るアイコンメニューは、大きめでクリックしやすい。ノートPCならさほど気にならないが、デスクトップPCの場合、近年ディスプレイが大きくなってきていることを考えると、ポインターの移動は気になることだろう。

詳しくはサイト管理人の「開発の動機と方針」を読んで見ていただきたい。使いやすさはもちろんだが、日本人らしい細やかな配慮で開発されたディストリビューションだということがよくわかる。



natureOS 5.0のレビュー

natureOSはUbuntu 20.04ベースのXfceフレーバーのため、CinnamonやMATEのような派手さはないが非常に軽い。
他の日本製Linux同様全て日本語がデフォルトなので、初めて使う人にも違和感なく使えることだろう。また、余計な設定をする必要がないことも、日本で開発されたディストリビューションならではだ。

端末は以下画像の通り。Kona Linux同様、デフォルトで多少壁紙が透過されている。とにかくKona Linuxと共通する部分が多いのが特徴だ。

日本製LinuxのnatureOS端末

インストールされているアプリは、他のUbuntu系とほぼ同じだ。Google Chromeは入っていないが、以下はほぼ最新バージョンがプリ・インストールされている(2020年6月現在)。
  • Firefox 77.0.1
  • Libreoffice 6.4.3.2
  • GIMP 2.10.18
  • Thunderbird 68.8.0
  • Inkscape 0.92
最低限のアプリのため、必要に応じてアプリは追加するようになっている。そのための「ソフトウェア」とSynapticパッケージマネージャはプリ・インストールされているので、筆者はSynapticで flatpakとsnapdのプラグインを追加し、その他必要なアプリをインストールした。

難点はサポート面だ。個人サイトのため、公式サイトにあるようなヘルプやフォーラムはなく、何かつまづくことがあっても自己解決しかない。幸い、Ubuntuベースということなので、Ubuntuの公式サイトのフォーラムは役に立つだろう。また、Ubuntu系に関することは、ネット上に情報が溢れている。

今まで数々のLinuxディストリビューションを試してきたが、筆者にとってnatureOSは間違いなくランク上位に入る。軽さ、使いやすさがあり、反対にLinuxにありがちな難しい操作性はない。端末は必要かもしれないが、最初にセットアップした後は使わなくても日常の作業に支障はない。

おそらくこれからLinuxを始めたいという人にとって、natureOSは入門ディストリビューションといえるだろう。

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