Mac風Linuxディストリビューション「elementary OS」を試してみる|ざっくりLinux!- 16


様々なLinuxのディストリビューションについて書いた以下記事で、Mac風ディストリビューションの「elementary OS」を紹介して以来気になって仕方がない。そこで、現在Linux Mint 19.3を入れたばかりのPCに「elementary OS」をインストールしてみた。

Linuxのディストリビューションは、その用途やハードウェアのキャパシティにあわせて選ぶことが適切だが、実はデザイン性にも優れているものが多い。よく「初心者向けディストリビューションベスト10」といった紹介ブログが多くネット上で紹介されているが、「ざっくりLinux派」としては、見た目からディストリビューションを紹介してみようと思う。これからLinuxを初めてみようという人は、参考にしてみて欲しい。

インストール前の作業

高速でオープンソース、プライバシーも尊重する、Windows や macOS の代わりになる OS ⋅ elementary OS
Ubuntuベースの軽量ディストリビューションとして知られるelementary OSの推奨システム条件は以下の通り。

CPU: 最近の Intel Core i3 またはそれと同等のデュアルコア 64bit プロセッサー
RAM: 4 GB 以上
DISK: 15 GB 以上のディスクスペースのある SSD

先日、このPCが64bitに対応可能ということがわかったので、そこは問題なし。SSDディスク推奨とのことだが、HDDでも問題なくインストールできるとのこと。

いつもの通り、Linux実験用として利用しているThinkPad X240のスペックを以下に確認しておく。

プロセッサ:Intel Core i7-4600U CPU@2.10GHz x 4
メモリー:7.5GB
DISK:500GB

まずは、インストールファイルの作成から。
Linux MintはDVD-RWにisoファイルを書き込むことができたが、elementary OSはフラッシュUSBでしかインストールできない。
そこで公式サイトよりisoファイルをダウンロードしたら、先にUSB用isoファイル書き込みアプリ「Etcher」をインストールしておく。
公式サイトからダウンロードしたZIPファイルは、ダブルクリックですぐに利用できる。

【isoファイル書き込み中のEtcher画面】
すでに業務用PCを卒業し、Linux実験専用としたThinkPad X240には必要なファイルは保存していないので、バックアップを取ることなく、そのままOSを上書きすることにした。
Linux Mint 19.3のisoファイルが入っているDVD-RWを残しておき、使用感によってはいつでもLinux Mintに戻せるようにしておく。

elementary OSをインストール

elementary OSのisoファイルを書き込んだUSBをThinkPadに差し込んで起動。画面に「ThinkPad」のロゴが出ているうちにF12キーを押したままにしておくと、起動方法の選択画面になるので、そこでUSBを選んでEnter。
Linux Mintと同じUbuntu系なので、elementary OSのロゴが浮かび上がった後はいつもと同じ手順だ。通信速度にもよるが、20分程度でインストールが完了し再起動する。

elementary OSの最新バージョンは5.1, Hera。Ubuntu 18.04 LTSをベースにしている。だが噂の通り、初期画面(冒頭画像)からして、いかにもMac風だ。画面下にはMacOSのようなDockが並ぶ。アプリを開こうとすると、それらしくぴょこんと跳ねるところもMac風の動作だ。

必要なアプリをできる限り削ぎ落とし、起動から軽量化を図ったディストリビューションなので、必要に応じアプリを入れていかなければいけない。


Linux Mintで言うところのソフトウェアマネージャはAppCenterに代わる。アップデートマネージャもなく、ファイルのアップデートも全てAppCenterで行う。慣れた人なら、どのLinuxにもある端末を使えば良い。

デフォルトで入っているブラウザはEpiphany、メーラーはelementaryの純正のもののようなので、使い勝手がわからない。なので、取り急ぎChromiumとThunderbirdを入れておいた。
また、パッケージマネージャ(Synaptic)もないので、先に端末から以下の通りインストール。

$ sudo apt-get install synaptic

日本語入力は最初から可能で、Ctrl + スペースで文字変換窓が出る。しかしこれでは使いにくいので、さっそくAppCenterを使ってFcitx設定をインストール。これで半角/全角キーで日本語、英語切り替えが可能になる。

AppCenterにはFlatpakが入っていないので、アプリをインストールしておく。その前にflathubリポジトリを端末で以下のように打って登録する。

$ flatpak remote-add --user flathub https://dl.flathub.org/repo/flathub.flatpakrepo

これでAppCenterからFlatpakでインストール可能な以下アプリを取り急ぎインストール(カッコ内はインストール時のバージョン)。
  • Libreoffice (6.4.3.2)
  • Visual Studio Code (1.44.2)
  • GIMP (2.10.18)
  • FileZilla (3.47.2.1)
尚、インストールについては以下記事を参考にさせていただいた。

elementary OS 5.1 Hera がリリース!




elementary OSのレビュー

確かに起動時から軽いという点では、Linux Mintと同等レベルに感じる。また、Mac同様Dockが常に画面下にあるので、アプリの切り替えも楽だ。画面上部のバーにもアプリケーションがあり、これは常に隠れることがないのでDockと同じ役割をしている。

各ウィンドウは左上に閉じる×があり、右上で拡大する。しかし、隠すというボタンはない。ファイルマネージャもMac風ではあるが、Linux独自の「ここに端末で開く」などの指示はできない。そのため、別途端末を開いてcdコマンドを使用することになる。確かに、Linuxに慣れた人にとっては使いづらいかもしれないが、Macのように直感的であるということかもしれない。

その他、現時点で不自由だと感じる点は以下の通り。
  • スクリーンセーバーがない
  • Visual Studio CodeとFileZillaから、社内で使用しているMacの共有ファイルにアクセスできない(LibreOfficeはアクセス可能)
  • Ubuntu系にも関わらず、わからない用語が多い
【2020.4.30追記】
Visual Studio CodeとFileZillaを開いてからMacの共有ファイルにアクセスできない問題については、一度アプリを削除し公式サイトからダウンロードしたファイルからインストールし直したら解決できた。どうもFlatpak経由でインストールしたアプリには、なんらかのバグがあったようだった。

まとめ

Linuxは、気に入ったディストリビューションがあれば、まるで服を着替えるように簡単にOSを変えることができる。isoファイルを書き込んだディスクを作っておけば、いくつものディストリビューションを試すことができる。

おりしもUbuntu 20.04 LTSがリリースされたばかりで、Linux Mintもこれに合わせたバージョンがじきにリリースされるだろう(2020年6月頃とのこと)。

しばらくはメインのMacBook ProとiMacに合わせてelementary OSを使ってみて、どうしても使いにくいようであればLinux Mintに戻しても良い。

それくらい、Linuxは「遊べる」OSだ。

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