今、みなさんが使っているパソコンは、Windows? Mac?
日本でのパソコンOSのシェアは、Windowsが圧倒的で、その次はMacだろうから、大方そのどちらかだろう。
しかし近年、UbuntuやLinux MintというOSが、だんだんとシェアを伸ばしてきているのをご存知だろうか?
これらを総称して、Linuxディストリビューションといい、単に「Linux(リナックス)」とも呼ばれている。
今、パソコンのOSでLinuxを選ぶ人が増えてきている。
今回は、
- なぜ今、Linuxが人気なのか?
- 自分のパソコンをLinuxにするには、どうしたらいいのか?
- 新しく買うなら、どのOSのパソコンを買ったらいいのか?
について、紹介してみたいと思う。
きっと、Linuxはパソコンライフを豊かにするツールになるだろう。
そもそもLinuxとは?
WindowやMacは馴染みがあるが、そもそもLinuxってなんだろう?
聞いたことがない人でも、実はLinuxで動いているものを、知らないまま使っているのだ。
例えば、Androidのスマートフォン。
スマホのOSであるAndroidは、Linuxディストリビューションのひとつだ。
また、スーパーコンピューターやサーバー、最近のテレビなど、幅広い種類のハードウェアの大元はLinuxである。
もう少し詳しく言えば、この大元のLinuxは、Linuxカーネルといわれる、ハードウェアとアプリケーションの架け橋のようなもの。
一方、この記事でいうLinuxは、Linuxカーネルと各種アプリケーションを取りまとめたもの、Linuxディストリビューションのことをさす。
Linuxディストリビューションは、パソコンのオペレーションシステム、OSだ。WindowsやMacOSと同じ仲間と考えれば良い。
Linuxの人気の理由
このブログでは、「ざっくりLinux!」というシリーズで、様々なLinuxディストリビューションを紹介している。そして、訪れる方はおそらく「新たにLinuxを始めたい」と思っている方が多いだろう。
筆者も、Linuxに出会ってからはWindowsを完全に卒業した。現在、会社でのリース物件としてMacを使ってはいるが、メインはLinuxをインストールしたパソコンだ。
では、なぜ今、Linuxの人気が上がってきているのだろうか?
それは、
- Windowsのアップグレード問題
- 無料であること、だからさまざまなLinuxディストリビューションから好きなOSを選べること
- セキュリティ面で安心できること
からだろう。
ひとつひとつ、詳しく説明する。
Windows7問題に見る他OSへの乗り換え
記憶に新しい、2020年1月にサポートが終了したWindows7問題。
多くの企業や官公庁で使用されていたパソコンOSのほとんどは、Windowsだ。そのため、Windows7のサポート終了によるセキュリティ不安から、アップグレードすべきか、他のOSに乗り換えるかで、結構な話題になった。
Windowsは、マイクロソフト社が販売するOS(オペレーティングシステム)で、もちろん有償だ。
Windows7のサポート終了時、どの企業や官公庁でも、多額の費用をかけてWindows10へアップグレードしただろう。
しかし、パソコン1台ならともかく、ひとつの企業で何千というパソコンがあれば、アップグレード費用も膨大だ。ましてや、官公庁でのその費用は、国民の税金から支払われる。
小さな会社では、アップグレードに費用をかけることも負担なので、サポート終了後もしばらくはWindows7を使い続けたと聞く。
それは、セキュリティ面でかなり危険であることを意味する。新たな脅威に対抗するセキュリティパッチが、もはや提供されないのだから、ハッカーたちの格好の餌食となる。
そして、この問題はこれで終わりではない。
次に待っているのは、そのWindows10のサポート終了だ。
その期限は、2025年10月。
その時、またWindows7問題のように、セキュリティにうとい企業が、ダラダラとWindows10を使い続けたら、日本の情報はダダ漏れ、セキュリティは穴だらけだ。
有償でアップグレードをいつまでも続けるのか、それとも他のOSへ乗り換えるのか?
企業、官公庁、そしてWindowsパソコンを持っている人たち全ての共通の問題でもある。
Linuxはオープンソース〜無料
Linuxは、オープンソース・ソフトウェアである。
オープンソース・ソフトウェアとは、プログラムの設計図であるソースコードを、目的を問わず利用、修正、頒布することが可能なソフトウェアのこと。
世界中の人たちが、オープンソース・ソフトウェアを利用し、その修正や開発にも自由に参加できる。
台湾のデジタル担当大臣オードリー・タン氏も、さまざまなオープンソース・ソフトウェアの開発に関わっている。そして、その技術を生かし、新型コロナ感染拡大時に、いち早く台湾内でのマスク供給の無償アプリを立ち上げた。
オープンソース・ソフトウェアであるLinuxは、一部は有償であるものの、ほとんどが無料で使用できる。
そして、OSのアップグレード時にも、費用はかからない。
だから、いつまでも無料で、自由に使い続けることができる。
Linuxのセキュリティ
LinuxとてパソコンOSのひとつなので、セキュリティ対策は欠かせない。
しかし、上述の通りオープンソースゆえ、世界中のエンジニアたちが日々開発・修正に関わっている。
言い換えれば、OSのソースは世界中に可視化されているということだ。
仮に、ハッカーたちがあるひとつのLinux OSを狙ったとしよう。そうしたら、世界中のエンジニアの誰かがその異変に気づき、可視化されたソースコードを直ちに修正するだろう。
世界中のエンジニアが、24時間、常に注視しているというわけだ。
Windowsは、そうはいかない。修正できるのは、マイクロソフト社だけだ。時間も人員も限りがある。
また、Linux向けのセキュリティ対策ソフトも無料のものがある。あるいは、セキュリティに特化したLinuxディストリビューションもある。
常に有償のWindowsやMacなのか、それとも、オープンソースのLinuxか、選ぶ理由はひとそれぞれだ。
WindowsパソコンをLinuxに変えるには
パソコンは、ハードウェアとOSで成り立っている。
そのうち、OSをWindowsからLinuxへ変えるだけで、手持ちのパソコンがLinuxで動くパソコンへと変わる。
たったそれだけだ。
だが、パソコンのOSを、いきなり知らないLinuxというOSへ変えるのは、多少勇気がいるかもしれない。
- もし、失敗したらパソコンがダメになってしまうのでは?
- 入れたはいいけど、使い方が全くわからない
といった不安もつきまとう。
しかし、心配は無用だ。
Windowsパソコンを購入したときは、おそらくOSはプリ・インストールされていただろう。しかし、セットアップは必要だったに違いない。
それと同じだ。
また、たとえインストールに失敗しても、Linuxのインストールファイルは無料だ。失敗したら、やり直せばいい。
使い方についても同様。
もう一度言う、WindowsもLinuxも、同じパソコンのOSだ。なんら変わることはない。
あるいは、初めてAndroid携帯を持った時、その使い方は難しかっただろうか?
Linuxは、なにやら黒い画面(Windowsでいうコマンドプロンプト)でしか操作できない、と思っている人が、まだまだ多いが、そんなことはない。
日本で人気のLinuxディストリビューションのひとつ、Ubuntuをはじめ、ほとんどのLinuxはWindows同様、グラフィカルな画面で、直感的な操作が可能だ。
インストール方法がわからなかったら、当ブログを読んで欲しい。Ubuntuについては、詳しくインストールからカスタマイズの方法まで、記事にしてある(以下記事参照)。
Linuxの良いところは、日本国内で開発されたディストリビューションがあることだ。これなら、最初から日本語で使うことができるし、無料とはいえ、サポート面も充実している。
より良いLinuxディストリビューションが見つかれば、着替えるようにOSを変えることだってできる。繰り返すが、Linuxはほとんどが無料なので、試し放題だ。
インストールが苦手という人はLinuxが入ったパソコンを購入
「どうも、OSをインストールするのは苦手」
という人は、最初からLinuxがインストールされたパソコンを検討してはどうだろうか?
すでに市場では、Linux搭載パソコンがたくさん販売されている。
Googleで、「Linuxパソコン」と検索すれば、下記のようなパソコンをすぐに探すことができる。
アプリケーションも無料
Windowsがプリ・インストールされたパソコンには、WordやExcelも同時にプリ・インストールされていたかもしれない。
あるいは、それだけ別にソフトを購入してインストールしただろう。
いずれにせよ、有償だ。
だが、Linux同様、オープンソース・ソフトウェアにはさまざまなアプリケーションがある。
例えば、WordやExcelに替わるオフィス系ソフトなら、LibreOfficeがある。Windowsと互換性があり、使い方もほぼ同じのため、なんの違和感もない。
もはや、マイクロソフト社のOfficeより、使い勝手が良いくらいだ。
グラフィックなら、Adobe Photoshopに替わるGIMPのクオリティは素晴らしいものがあるし、マイクロソフト社がオープンソースでリリースしているVisual Studio Codeは、優れたエディタにもかかわらず、無料でLinuxでも使用できる。
悩むより慣れろ
かくいう筆者も、最初はLinux導入に二の足を踏んだものだった。
OSを入れ替えることで、パソコンがダメになってしまうという心配もあった。
しかし、それらは全て取り越し苦労だった。
今は、新しいディストリビューションを見つけては試して、気に入ったものがあれば使い続けている。
Mac風デザインのものもあれば、Windowsにそっくりなディストリビューションもある。Windowsからの移行アプリケーションまで入っているものも・・・。
筆者はITエンジニアではない、むしろ文系頭脳だ。
それでも、あの真っ黒い画面を開くことなく、Linuxを使いこなせている。
つまり、
「悩むより慣れろ」
だ。
専門的なことにはお答えできないが、インストールについてや、アプリケーションのことなど、コメント欄から気軽に問い合わせてもらえれば、筆者の知る限りの情報でお答えするつもりである。
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