Linux初心者におすすめのFeren OS|ざっくりLinux!- 57

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Feren OSデスクトップ

初めてLinuxを使おうと思うとき、数多くのディストリビューションの中から自分にあったものを選ぶのはなかなか難しい。

例えば、WindowsからLinuxに変えようと思っているときは、

  • 見た目がWindowsに近い、似ている
  • 設定が簡単、わかりやすい
  • すぐに日本語で使うことができる
  • 今まで使っていたアプリが使える

などが挙げられるだろう。

今まで数多くのLinuxディストリビューションを、一回一回インストールして確かめてきた筆者が、今回、上記要望のLinux初心者におすすめするのは、2014年英国で開発されたFeren OSだ。

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Feren OSについて

Feren OSは、比較的新しいディストリビューション。

当初、Linux Mintをベースとしていたが、2020年よりUbuntuベースのKDEプラズマデスクトップを採用した、日本人にも使いやすく美しいディストリビューションである。

2021年1月現在の最新バージョンは、「Feren OS 2021.01」だ。

疑似ローリングリリース方式を採用しており、OS全体を頻繁にアップグレードすることなく、使用可能なアプリケーションの一部を頻繁にアップデートすることで、常に最新状態を保っている。

Feren OSの最大の特徴は、Windowsユーザーの乗り換えOSとしての位置をかなり意識して開発されているということだ。

デスクトップにKDEプラズマを採用したことで、Windows10に近い見た目と操作性を提供している。

また、「Feren OS Transfer Tool」という、Windowsからの乗り換えツールを用意していることだ。ある程度の設定やファイル転送など、このツールを使用して簡単に行うことができるらしい。

「らしい」というのは、筆者はすでにWindowsの使用をずいぶん前にやめているので、ファイルの転送自体必要ないため、使っていないからだ。

Feren OS Transfer Tool

一方、Macユーザーもターゲットに入れている。

デスクトップのパネルには、Macのドックのように中央にお気に入りアプリを並べることができる。

初心者向けのツールも充実している。

例えば、ほとんどのLinuxディストリビューションのブラウザは、FireFoxまたはChromiumがデフォルトだが、Web Browser Managerにて好みのブラウザを簡単にインストールすることができることだ。

Chrome派の筆者としては、最初からGoogle Chromeをインストールできるよう設定されていることは驚きだ。現時点ではMicrosoft Edgeはインストールできないが、開発中のようなので今後に期待しよう。

Web Browser Manager

日本語設定も割と簡単だ。

Input Method(後述)には、インストール後の日本語設定が順を追って丁寧に解説されているので、そのとおりに設定を進めることができる。

DistroWatchの最新ランキングでは53位と低めだが、新しいこととディープなLinuxファンには物足りなさがあるのかもしれない。

しかし、翻せばそれだけ簡単だということだ。

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Feren OS 2021.01をインストール

さっそく、公式サイトより最新バージョンのisoをダウンロードして、インストールしてみる。

インストールの際のシステム要件は以下のとおりだ。

【システム要件】
RAM:1〜2GB(推奨は4GB)
ディスク容量:20GB〜(推奨は50GB〜)
解像度:1024×768以上
64-bitアーキテクチャ

いつものとおり、ダウンロードしたisoファイルをBalena EtcherでUSBに焼き付け、PCをUSBから起動する。起動後のライブ画面は以下のとおり。

Feren OS ライブ画面

インストーラの最初の画面で日本語設定にすれば、以後日本語で進むので特に問題はない。ユーザー設定は再起動後のWelcome画面にて行う。

Feren OS インストーラ1

Feren OS インストーラ2

Feren OS インストーラ3

Feren OS インストーラ4

Feren OS インストーラ5

Feren OS インストーラ6

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インストール後の各種設定

無事インストールが完了し、再起動すると上述の通り、Welcome画面にてユーザー設定を行う。その他ロケール設定(タイムゾーン)やキーボード設定があるが、指示通り行えば簡単なので、ここでは割愛する。

次に必要なアップデートだ。

画面右下のパネルから、アップデートマネージャを開く。まだ、英語のままのところはあるが、簡単な英語なので、指示通りにアップデートを行う。

日本語の設定

まずは日本語環境を整える。

メニュー–>設定–>Languageを開く。

言語、地域、時間はすでに設定されているものの、言語サポートを開くと、各国の「言語パッケージが足りません」という中に、日本語も同様に表示されている。これを選択して、追加インストールを行う。

その後、ログアウト・ログインを行えば、以後日本語表示となる。

次に日本語入力設定。

メニュー–>設定–>Input Methodを開くと、以下画面となる。

Feren OS Input Method

「Japanese」を選んだ後は、画面の指示通り

  1. Language support packageのインストール(「install」をクリック)
  2. ウィンドウ上部中央の「ibus」となっているプルダウンから、「fcitx」を選択
  3. ログアウト・ログイン

で完了だ。

必要なアプリのインストール

Feren OS Storeブラウザ以外の必要アプリは、設定の中の「Store」と「Synapticパッケージマネージャ」を使う。どちらもUbuntuやLinux MintなどUnix系ディストリビューションには、おなじみのパッケージマネージャだ。

「Store」は、デフォルトでFlatpakのリポジトリも登録されているので、Flathubの各種アプリをインストールすることができる。

だが、一つ困ったことが起きた。

Flathubから会計アプリのGnucashをインストールしたら、いきなり日本語が文字化けだ。

しかし、あわてることはない。日本のパソコンにおける標準フォント、IPAフォントを「Synapticパッケージマネージャ」でインストールすることで、すぐに解決した。

その他のアプリでも、万が一文字化けしていたら、この方法で解決する。

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Feren OSの個人的レビュー

古いPCをLinuxで再利用している人から見れば、多少スペックが高いPC(Thinkpad X240、8GB)を使っているつもりだが、KDEプラズマデスクトップは動作がいちいちグラフィカルで、言ってみれば、「歌舞伎のような」仰々しさがかえって面倒くさい。

筆者のお気に入り、GnomeデスクトップのFedoraと比べると、どれをとってもスローな動きだ。けっしてスペックが低いわけでもないので、KDEプラズマはオフィス向きではないかもしれない。

しかし、上述のような導入のための各種アシスタントが充実しているので、個人ユースとしては初心者向きだろう。

オフィス系ソフトのLibreOfficeも、最新バージョンがインストール済みなので、Windowsから乗り換える人も違和感なく使用できると思う。

LibreOffice

繰り返すが、DistroWatchでは人気は低めだ。

しかし、それはけっして使いにくいということではなく、ディープなLinuxファンには不向きということであって、今後初心者向けディストリビューションとして、ますます注目されていくことだろう。

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