間違わない旅行プランの作り方~勝手に旅行理論

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ヴェネチア イメージ

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ある旅行客から、旅行会社である筆者にオーダーメイドでイタリア・ハネムーン・プランを作ってほしい、という依頼があったときの話。

「10日間で、絶対にはずせないのはヴェネチアとフィレンツェとローマ。特にローマでは3日必要です。」

さて、この依頼の最後にある「ローマでは3日必要です」は、

1.ローマに3泊したい
2.3日間自由時間が欲しい

のどちらだろうか?

これがこの記事の本題である。そしてこの答えは、依頼した本人にしかわからない。

昨今、ネットで航空券もホテルも簡単に予約できるようになった。しかし、旅行会社勤務の人ではない、いわゆる一般の旅行客が陥りやすい旅行のプランニングの注意点を少しまとめてみたい。

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都市間移動日の考え方

上記の依頼で、前者の「ローマに3泊したい」は希望が明確だが、仮に後者の「3日間自由時間が欲しい」という希望は実にあやふやな希望である。

それは、滞在前後の移動日をどうとらえるかにあるからだ。

上記例の通り、10日間の日程でヴェネチア、フィレンツェ、ローマの3都市を巡る場合、ヴェネチア~フィレンツェの移動に半日(高速鉄道を利用すれば実質2時間程度だ)、フィレンツェ~ローマの移動に半日(こちらも高速鉄道なら1時間ほど)を考慮しなければならない。

鉄道なら簡単だが、航空機移動の場合はそうもいかない。

出発空港までの移動、チェックインから搭乗までの待ち時間、到着空港での荷物の引き取りとホテルまでの移動時間を見ておかなければならない。

これを1日の日程にすると、以下の通り。左から朝、そして矢印の移動ごとに時間が経過する。

宿泊地A ⇒ 空港へ向かう ⇒ 空港での搭乗までの時間 ⇒ 航空機移動 ⇒ ホテルまでの移動 ⇒ 宿泊地B

航空機移動はたった1時間程度だったとしても、宿泊地Aから宿泊地Bまでの移動にこれだけの時間のロスがある。

ホテルを午前9時にチェックアウトして、特に無駄な待ち時間もなく移動したとしても、次の目的地到着は午後だろう。そうしたら、この日の自由時間は夕食のためにホテルからちょっと出かけるくらいの時間しかないかもしれない。

これが移動日をどうとらえるかという考え方だ。

本題に戻る。

上記依頼の捉え方として、後者の「3日間自由時間が欲しい」という希望の場合、通常は前後の移動日を滞在時間にカウントしない。

「3日間自由時間が欲しい」とは、日中のショッピングや自由に散策する時間として3日間必要だと考えると、チェックインした翌朝からたっぷり3日の日中時間を確保できる4泊5日、と答えるのが正解だろう。つまり、

  1. 移動及びチェックイン 宿泊
  2. 日中の自由時間1日目 宿泊
  3. 日中の自由時間2日目 宿泊
  4. 日中の自由時間3日目 宿泊
  5. チェックアウト

となる。

しかし、このような日程を確認すると、たいていの人は「いや、3泊でいいんです」という。

だったら最初からそう言ってほしいと思うが、さてこれを旅行会社勤務ではない一般の旅行客はどうプランニングするだろうか?

旅行日数の考え方

2番目の質問である。

上記依頼の10日間の日程は、9泊10日、8泊10日のどちらだとお思いか?

少し旅慣れた人なら、ヨーロッパへの旅行は、時差のため行き又は帰りのいずれかで機内泊があるので、すぐに8泊10日と理解できる。しかし、希望する滞在日数があやふやな上記のような依頼の場合、果たして機内泊がわかっているのかどうかもあやふやだ。

また、「行きも帰りも機内泊が入るから7泊10日」ととらえる人さえいる。確かに日本の出発が夜の航空機を利用する場合、このような日程になることもあるが、たいていの場合行きは時差をさかのぼるので、日本出発日と現地到着日は同日となることが多い。

だが、航空券予約サイトは、たいていこのような人たちに対して不親切で、到着地の日付が小さく出ていたりするといった、不親切な書き方が多いため、航空券を購入した後で日付が違っていた、なんていうことに陥る危険性もある。

「まさか、自分はそんなバカなことはしないよ」

と言っている人に限って、このような単純ミスに陥りやすいので要注意だ。

全体の旅行日数は、上記滞在日数のカウントとも連動する。

10日間で3都市を巡るなら、往復の航空機移動を覗いても移動日を2日考えなければならない。その移動日、プラス各都市の滞在日、プラス往復の航空機移動日が、全体の旅行日数となる。ヨーロッパやアメリカ方面の旅行なら、さらに機内泊を考慮しておかなければならない。

つまり、旅行日数は宿泊日数から検討していくほうがわかりやすい。

本題の「10日間で、絶対にはずせないのはヴェネチアとフィレンツェとローマ。特にローマでは3日必要です。」という依頼は、仮にローマで3泊必要となったら、8泊10日の日程で残りは5泊だ。ヴェネツィアに3泊必要ならフィレンツェは2泊となる。

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日程表を作ってみよう

上記のような移動日、滞在日数、全体の旅行日数で陥りやすい注意点を解決する方法は、旅行会社が通常行っている日程表を作成することだ。

近頃は、スマートフォンのアプリでも自分で旅行日程を記録していけるものがあるので、どんどん活用しよう。蛇足だが、筆者個人がプライベートで旅行する際は、単純だがGoogleカレンダーを活用している。

さて、本題の「10日間で、絶対にはずせないのはヴェネチアとフィレンツェとローマ。特にローマでは3日必要です。」という依頼で、ローマは3泊必要だとする。

それを日程表に起こすと以下の通りだ。

日次 時間 スケジュール
1 午前
夕方
日本発 航空機で欧州都市経由ヴェネチアへ
ヴェネチア到着、ホテルへ

ヴェネチア泊
2

3
終日自由行動

ヴェネチア泊
4 午前

午後

チェックアウト後、駅へ
鉄道でフィレンツェへ
到着後ホテルへ

フィレンツェ泊
5 終日自由行動

フィレンツェ泊
6 午前

午後

チェックアウト後、駅へ
鉄道でローマへ
到着後ホテルへ

ローマ泊
7

8
終日自由行動

ローマ泊
9 午前
又は
午後
チェックアウト後空港へ
直行便または欧州経由便で帰国

機内泊
10 日本到着

このように最低限移動だけの日程表を作れば、どの都市でどれだけのことが出来、どれだけ時間が足りないかがわかる。

上記日程は途中鉄道移動だが、これが航空機移動になっても同じこと。航空機の前後にホテル⇔空港間の移動を入れておけば、その前後に何が出来るのか自然と分かってくる。

まとめ

自分で手配する海外旅行の第1歩は、間違わない旅行プランを立てること。それには、

  • 旅行日数は必ず移動日を勘定する
  • 日数と泊数は違うことを理解する
  • 時差による機内泊を考慮する
  • 整理するため日程表にしてみる

ことだ。

海外旅行においてまだまだ注意すべき点はいろいろあるが、まずはこの辺で。

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