Linuxの資格「LPIC」|ざっくりLinux!- 42

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Linuxにも資格があることをご存知だろうか?

このブログでは、自分で試した各ディストリビューションの紹介をしているが、今回は趣を変えて、「Linuxの資格はどんなもの?」「どう役立つの?」から、資格取得に必要な勉強法や参考書について、ざっくりと調べてみた。

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LPICとLinuCの違い

Linuxの資格は、LPIC(エルピック)とLinuC(リナック)の2つがある。どちらもLinuxの技術者認定資格であることには変わりはない。

ざっくり言えば、違うのは運営している組織、つまりは認定元の違いだ。それぞれの組織の公式サイトを、以下からみてもらう方が早いかも知れない。

LPIC(Linux Professional Institute Certification:エルピック)

LinuC(リナック)

LPICは、カナダに本部を置く非営利団体によって運営されている、世界最大のLinux技術者の認定資格のこと。

一方LinuCは、2018年より提供が開始された、LPICを基準にした日本独自のLinux認定資格だ。

内容、受験科目、費用などはほぼ変わらないが、ざっくり言えばLPICは世界標準のIT資格、LinuCは日本でしか通用しない資格と言える。

それなら、現時点ではグローバル・スタンダードのLPICの方が良いと思う。LPICは日本支部があり、資格試験も日本語で受けることができる。

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LPICの資格は3通り

LPIが提供しているLinux資格は、以下3通りある。

Essencials

基本的なコマンドラインエディターを使用し、Linuxオペレーティングシステムのプロセス、プログラム、コンポーネントの理解をテストするもの。いわゆるLPICの入門資格だ。

実際には、Essencialsの資格を持っているからといって、Linuxエンジニアとまでは行かないものだろう。

Linuxプロフェッショナル

ここからがLPICの本当の資格と言えるもので、Linuxエンジニアとして通用する資格だ。プロフェッショナルの有効期限は5年、その間により高いレベルで再認定されないと資格を失ってしまうことになるので、要注意だ。

LPICは、さらに以下5レベルに分かれている。

LPIC-1

コマンドラインでメンテナンスタスクを実行する機能、Linuxを実行するコンピューターをインストールして構成する機能、基本的なネットワークを構成できる機能をテスト。Linuxディストリビューション利用のための幅広い知識が求められる。

LPIC-2

中小規模の混合ネットワークを管理する能力をテスト。応用的なシステム管理やサーバー構築の知識が求められる。

LPIC-300(Enterprise Mixed Environment)

企業全体の混合環境にLinuxサービスを統合する能力をテスト。Sambaを中心としたファイルサーバ、ドメインコントローラ構築の技術的内容が求められる。

LPIC-303(Enterprise Security)

Linuxベースのサーバー、サービス、ネットワークを企業全体で保護及び強化する機能をテスト。暗号化やアクセス制御など、セキュリティに関する知識が求められる。

LPIC-304(Enterprise Virtualization And High Availability)

Linuxベースのテクノロジーを利用し、企業全体の仮想化と高可用性のセットアップを計画及び実装する能力をテスト。

Open Technology

オープンテクノロジーのプロフェッショナル認定資格。LPIC資格がなくても受験可能だが、そもそもそれらの知識がないと、到底合格できそうもない。

もはやLinuxとは関係なさそうな内容で、ざっくり派にはなんのことやら…。

オープンテクノロジー認定は、以下2つに分かれている。

DevOps Toos Engineer

DevOps(デブオプス)関連のドメインに関する実用的な知識が問われるテスト。DevOps(デブオプス)については、ウィキペディアを参照のこと。

BSD Sepcialist

FreeBSD、NetBSD、およびOpenBSDシステムの管理スキルをテスト。もう、なんのことだかわからない。

(注)国際標準の受験に関することのため、一部表記は公式サイトから引用している。

上記各資格のうち、Essencials、LPIC-1及びLPIC-2は、オンラインで受験ができる。それ以外は筆記試験となる。また、日本語で受験できるのは、EssencialsとLIPCー1のみだ。それ以外は英語での受験となる。

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LPICの参考書

そもそも、LinuxはOSS(オープンソース・ソフトウェア)なので、ディストリビューションのダウンロードなど、全てネット上でできることが利点だ。それなら、LPICの勉強も全てネットでできそうなものだが、さすがに資格勉強となると、そうも行かないだろう。

Essencialsについては、LPICの公式サイトにレッスンサイトがあるので、それで十分なのではないかと思う。このページは、資格取得移管に関係なく、Linuxの基礎知識が勉強できるので、とても便利だ。

本で勉強したい人には、以下をお勧めする。


LPIC-1、LPIC-2には、以下の本がお勧めだ。



LPIC-300、LPIC-303、LPIC-304には以下の本が良いだろう。




あくまで、「ネット上で全て勉強・合格してやる!」と息巻く人には、以下のサイトが良いかも知れない。エンジニアの資格試験といえばこのサイト、と言われる「Ping-t」だ。ユーザー登録をすれば、EssencialsとLPIC-1については問題集も利用できる。

Ping-t

過去問題をチェックできるサイトはこれだ。トップページで、「今日の一題」が毎日更新されている。

まとめ

みんなが使っているスマートフォンから5G対応の家電まで、Linuxを組み込む機器は年々増えている。そのため、Linuxエンジニアの売り手市場はまだまだ安泰だと言われている。

コロナ禍によってテレワークが進み、自由に自分の時間を使うことができることを最大限利用して、新しい資格にチャレンジすれば、スキルアップにもつながるだろう。

単にLinuxについてもっと知りたいという人にも、Essencialsの勉強はとても役に立つ。あるいは、「自分のLinuxの知識は一体どれくらいだろう?」という気持ちで受験してみるのも良い。

今まで、筆者もざっくりとしかLinuxを触ってこなかったので、これを機に少し勉強してみようかと思っている。

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