古いPCに超軽量Linuxを入れて比較してみた|ざっくりLinux!- 39

Xubuntu デスクトップ1
Linuxの利点のひとつは、古いWindowsパソコンを新しいOSで蘇らせることができることだ。今まで様々なLinuxディストリビューションを試してみたが、今回はより古いノートパソコンに超軽量Linuxディストリビューションをインストールして、それぞれを比較してみようと思う。

用意したロースペックのノートパソコン

実験用としていつも使用しているThinkpadX240は、Linuxをインストールするにはまあまあハイスペックなのだと思う。しかし、今回用意したのは2007年購入のThinkpad X41 モデル 2525-55Jだ。この時の製品はまだLenovo製ではなく、日本IBM製のPCで、キーボード右側に「IBM」のロゴが入っている。リリース当時の記事が残っていたので、以下に紹介する。

ThinkPad X41 の発表
尚、筆者所有のX41はすでにバッテリーが使えなくなったので、外部電源のみで使用している。スペックは以下の通り。

プロセッサ:Intel Pentium M processor 1.50GHz
メモリー:924MiB
利用可能なディスク容量:40GiB

今となっては、プロセッサもメモリーもかなりロースペックだ。そして、このPCには64-bit版のディストリビューションはインストールできない。そのため、選択できるのは32-bit版のみだ。これに超軽量と言われているLinuxディストリビューションを入れて、普通にノートパソコンとして使用できるかどうかをチェックしてみたい。

Xubuntu 18.04 LTS

一般的に軽量Linuxとして知られているのは、Ubuntuの軽量版のXubuntuだろう。デスクトップ環境は、Gnomeより軽いXfceだ。ベースはUbuntu 18.04 LTSになる。これ以降のバージョンは64-bit版のみとなるので、32-bitのPCにインストールできるのはここまでだ。

*isoファイル入手先:Xubuntu

Xubuntu 18.04 LTSの推奨システム要件

  • CPU:PAEサポート
  • メモリ:512MB(推奨1GB)
  • 必要ディスクスペース:7.5GB(推奨20GB)
さっそくインストールしてみる。Ubuntu系のインストーラは簡単なので、ここでの紹介は割愛する。そして、以下が再起動後の画面だ。

Xubuntu デスクトップ2

インストーラで日本語、キーボードも日本語設定にしておいたのに、「言語サポートが不完全」と表示されている。指示に従い、日本語入力の設定に進む。その後、ソフトウェアの更新、再起動する。

Xubuntu 18.04 LTSの主なインストール済みソフトウェアとバージョン(2020年9月現在)

  • Fire Fox:80.0.1
  • Thunderbird:68.10.0
  • Libreoffice:6.0.7.3(Base以外)
  • テキストエディターMousepad:0.4.0
オフィス系ソフトが多少古いようだが、気にしなければすぐにネット、メール、オフィス系ソフトを使い始めることができる。

Xubuntu 18.04 LTSの使用感

実験用PCは、かなり古いものではあるが、インストール後の動作感は可もなく不可もなく、といったところだ。特に画面が固まったりすることはない。

次に、「ソフトウェアの追加と削除」でChromiumとBraseroをインストールしてみる。普段使用しているThinkpad X240よりはインストールの速度は遅いが、かといって遅すぎるということはない。
インストールしたChromiumでネットブラウジングを試みたが、こちらも問題ない。やはり「超軽量」は評判通りのようだ。

Zorin OS Lite

Zorin OS Lite デスクトップ1
続いて、WindowsライクなテイストのZorin OSの軽量版、Liteを試してみる。こちらもUbuntu系のディストリビューションだ。つい最近、64-bit版Coreを試したばかりだが、まあまあ使いやすかったので、Lite版も期待が持てる。

【Zorin OS 15.3 Core 64-bitについての記事】

まるでWindowsなLinux、Zorin OS|ざっくりLinux! - 37

すでに日本ではスタンダードな、Windowsに近いLinuxディストリビューションとして定着しつつあるZorin OS。数年前に一度試したことがあったが、最新バージョンはどんなものか確かめてみたくなり、バージョン15.3(2020年9月時点)Coreエディションをインストールしてみた。

*isoファイル入手先:Zorin OS

Zorin OS Liteの推奨システム要件

公式サイトに記載されている推奨システムは以下の通りだ。
  • CPU 700 MHz Single Core – Intel/AMD 64-bit or 32-bit processor
  • RAM 512 MB
  • Storage 8 GB
インストールの様子は割愛する。インストール後再起動した時のデスクトップは、以下画像の通り。
Zorin OS Lite デスクトップ2
Coreでは美しい雲海の画像の壁紙だったのに、なんだか少しがっかりするデスクトップだ。
すでに、デフォルトで日本語入力は設定済みなので、すぐに使うことができる。

Zorin OS Liteの主なインストール済みソフトウェアとバージョン(2020年9月現在)

  • Fire Fox:80.0.1
  • Thunderbird:68.10.0
  • Libreoffice:6.4.6.2(Math以外)
  • テキストエディターGedit:3.28.1
XubuntuはLibreofficeが多少古かったが、こちらは最新バージョンで使い始めることができる。テキストエディターもGnomeのデフォルト、Geditだ。

Zorin OS Liteの使用感

Xubuntu同様、「ソフトウェア」でChromiumをインストールし、ネットブラウジングを試してみる。しかし、動きが少し重たい感じがする。その他、全体的に動きが緩慢で、どのソフトウェアを開いてもすぐに作業ができず、重たい感じがする。ソフトウェアをひとつ使用している間、HDDはずっと唸っている。
また、Braseroで次のisoファイルをDVDに保存している最中に、画面が真っ白になったまま反応しなくなってしまった。推奨システムはクリアしているのに、Zorin OS LiteはThinkpad X41には重たすぎるようだ。

AlterLinux Xfce 32bit

AlterLinux Xfce 32bit デスクトップ
Xubuntu、Zorin OS Liteは、どちらもUbuntu系のため、32-bit版はバージョン18.04 LTSまでとなる。サポートは通常で2023年までだ(Extended Security Maintenance:有償で2028年まで)。近年はどのLinuxも64-bit版オンリーになってきているため、古い32-bitのPCではサポート期間が限られる。

そこで思いついたのが、ローリング・リリース版の軽量Linuxだ。バージョンを更新することなくアップデートをこまめにしていくことで、いつも最新の状態で使用できるのが、ローリング・リリースの利点。32-bit版を一度インストールすれば、長いこと使用できる。そして、その条件に合うのは、日本で開発されたAlterLinuxだった。このディストリビューションも32-bit版を用意している。

【AlterLinux 64-bit版についての記事】

完全日本語化のAlterLinuxを試してみる|ざっくりLinux!- 31

しばらく新たなLinuxディストリビューションを調べていなかったが、ここ最近、日本で開発されたLinuxが注目されているようなので、日本の学生ディベロッパー数十人で開発したというAlterLinuxをVirtualboxにインストールして試してみた。

*isoファイル入手先:AlterLinux

AlterLinux Xfce 32bitの推奨システム要件

  • CPU: 1 GHz, x86_64 (Dual Core) 以上のプロセッサ
  • RAM: 512 MB (1 GB) 以上のシステムメモリ
  • Storage: 8 GB (16 GB) 以上の空き領域

AlterLinux Xfce 32bitの主なインストール済みソフトウェアとバージョン(2020年9月現在)

  • Fire Fox:79.0(32-bit)
  • Thunderbird:68.11.0(32-bit)
  • Libreoffice:6.3.6.2

AlterLinux Xfce 32bitの使用感

インストール後、すぐに「ソフトウェアの更新」で最新状態にしようとしたところ、起動しなかった。そのため、端末でupdateとupgradeを行う。次に、いつも使用しているブラウザのGoogle Chrome(AlterLinuxではChromium)を「ソフトウェアの追加と削除」からインストールしようとしたが、やはり起動せず、端末からインストール。

どうもおかしい。

開発者が日本の方なのでメールしたところ、上記2点については未解決のようだ。ブラウザはFire Foxで代用、ソフトウェアの更新・追加・削除は当分の間、端末で行うしかない。
しかしながら、やはりAlterLinuxは軽量でサクサク動いた。日本語ですぐに問い合わせができる点はとてもよく、上記問題が解決すれば古いPCでも使いやすいディストリビューションだと思う。

まとめ

古いPCの再生には、32-bitに対応するLinuxディストリビューションが必須だ。しかし、年々32-bit版はなくなりつつある。AlterLinuxのように、ローリング・リリースを続ける32-bit版が最も良いのだが、今回試した3つのディストリビューションは100点とは行かなかった。
人によっては、Thinkpad X41よりもロースペックなPCでLinuxを使っている人も多いことだろう。そのような状況において、今回試した3つが果たして普段使いのPCとして機能するかどうかは疑問である。

そこで、もう少しいろいろなディストリビューションを調べた上で、再度レポートしてみたいと思う。次回は、Debian 10 32-bit及びPuppy Linuxまたは同等レベル、プラスアルファを探して試してみる予定。

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