やっぱりLinuxといったらUbuntu?|ざっくりLinux!- 24

Ubuntu 20.04 LTSデスクトップ
【カスタマイズ後のUbuntuデスクトップ】

少し前だが、オーストリアのQ-SuccessというWebコンサルティング会社が発表した2020年3月のLinuxディストリビューションのシェアでは、やはりUbuntuがダントツの40%でトップ、次いでDebianの約18%、CentOSの約16%だった。近年日本で人気のLinux Mintはその他扱いだ。

やっぱりLinuxといったらUbuntuなのだろうか?今更ながらだが、今回は4月にリリースされたばかりのUbuntu20.04をクリーンインストールして、再度確かめてみようと思う。

日本語に特化したUbuntu Remixイメージでインストールできる

Ubuntuは、英国のカノニカルという会社が開発支援をしている。少しLinuxをかじった人なら、この会社名を聞いたことくらいはあるかもしれない。近年、日本で開発されたLinuxが国内で人気を上げてきているが、Debianから派生した使いやすさが魅力のUbuntuは、やはり日本でも根強い人気だ。

そして、数あるLinuxディストリビューションの中で、日本語に特化した日本向けのインストールイメージをリリースしているのは、筆者の知る限りこのUbuntuだけではないかと思う。それを担当しているのが、日本での公式サイト、Ubuntu Japanese Teamだ。

日本語公式サイトでは、アルファベット言語の他国ではスタンダードな文字エンコーディングのUTF-8だけではなく、日本独特の文字エンコーディングのShift-JIS、ISO-2002-JP、EUC-JPにも対応するよう、オリジナルのUbuntuに修正を加えて「日本語版Remixイメージ」を作成・配布している。
だから、他のでィストリビューションにありがちな文字化け対応や、ややこしい日本語化などに戸惑うことはさほどない。ダウンロードサイトも海外ではなく国内のサーバーからダウンロードが可能だ。

この点では、日本で開発されたディストリビューションと同じだが、やはり世界でシェアNo.1のUbuntuは、圧倒的なサポート体勢があるといっても過言ではない。
公式サイトでは、下記の通り豊富なコミュニティを用意している。
  • 日本語メーリングリスト
  • 日本語Wiki
  • 日本語フォーラム
  • チャット
  • Launchpad
などなど。これだけでもLinuxデビューに十分な体制だが、それ以外にもネット上にUbuntuについて詳しく書いてくれているサイトが星の数ほどある。

Ubuntu 20.04 LTSをインストール

実は、筆者もLinuxデビューはUbuntuだった。最初はUbuntu 12.04 LTSだ。ちょうどWindowsXP問題が起こった時で、業務に使用するPCをLinuxへ総取っ替えすべきかを試したいと思ったことがきっかけだった。

しかし、Linuxへの知識不足や実験でインストールするPCのスペック不足などもあり、最初のインストールでかなりてこずったことを覚えている。
まずはインストール。ネットで教えてくれる各サイトを読みあさり、一つ一つのトラブルに対処しながら、やっとのことでインストールできた。と思いきや、今度はWindowsとのファイル共有に悪戦苦闘。Sambaというファイル共有のためのアプリの存在も初めて知った。

そして最大の難関が端末での操作だ。その頃は、入れたいアプリはほとんどソフトウェアセンターにはなく、アプリの公式サイトからインストールファイルをダウンロードしてこなければならなかった。それには端末が必須だ。今のように、SnapdやFlatpakといった便利なものはまだリリースされていなかった。

あいにくLinuxデビューは少し苦々しいものだったが、果たして最新のUbuntuはどうなっただろうか?さっそく、日本語公式サイトから最新バージョンのUbuntu 20.04 LTSの日本語版Remixイメージをダウンロードし、インストールの準備をする。すでに32-bit版はなく、64-bit版のみだ。それをUSBに焼き付けて、いざインストール。
懐かしいUbuntuのインストール画面が始まり、画面の指示に従ってインストールは順調に進んだ。程なくしてインストールが完了したので再起動する。

デフォルトのデスクトップは以下画像の通り。

Ubuntu 20.04 LTSデスクトップ2

まず気がついたのは、他のUbuntu系ディストリビューションにはあったMenuアイコンがない。左下の「アプリケーションを表示する」をクリックすると、インストールされているアプリ一覧が表示される。MacのLaunchpadのようなこのアイコンが、メニュー代わりになっている。
開くと「常用」と「すべて」に分かれており、一度使ったアプリは常用に登録される。

Ubuntu 20.04 LTS Launcher

おなじみの左側に表示されたDockは相変わらずだが、以前よりグラフィカルな動作が、やはりMacを意識している感じに見える。このDockは設定の外観から、「Dockを自動的に隠す」をオンにしておけば、アプリを開いた時に隠れるようになる。

再起動後ソフトウェアのアップデートが始まり、マシンを最新の状態にしたところで、さっそくあれこれいじりまくってみた。



Ubuntu 20.04 LTSのレビュー

以下、インストール後に気がついたことを書き留めておく。

設定と日本語環境について

Ubuntu 20.04 LTSヘルプ

様々な(というほどでもないが)ディストリビューションを試してきた筆者にとって特筆すべきは、他には見られなかった「Ubuntuデスクトップガイド」がDockに用意されていることだ。UbuntuはおろかLinuxが初めての人のために、起動からログアウトまで、それ以外も基本的な動作の説明やヒントとコツが書かれている。これはざっくり派にとっては嬉しいガイドだ。

最近のLinuxはどれも、デフォルトで日本語環境が整っているので、特に設定をする必要はない。Ubuntuも同様だ。また、共有ファイル設定も特別することなく、社内ネットワークにアクセス可能だ。

以下アプリ以外特段設定すべきことはなく、すぐに利用を開始できる点は、以前のUbuntuからはだいぶ進化していると感じる。

デフォルトのアプリ

ブラウザはFire Foxのみで、Google Chromeはインストールされていない。ソフトウェアセンターでChromiumはインストール可能だが、Google Chromeサイトにてダウンロードしてインストールを試みた。インストールファイルは右クリックし「別のアプリケーションで開く」から「ソフトウェアのインストールで開く」を選ぶと、ソフトウェアセンターが起動して簡単にインストールできる。

メーラーはThunderbirdがデフォルトになっているので、問題なし。 オフィス系ソフトはLibreoffice、バージョンは6.4.3.2と最新だが、やはり筆者がよく使うBaseが入っていないので、こちらもソフトウェアセンターからインストール。

また、Manjaro同様Synapticパッケージマネージャがないので、これもインストール。やはりこれがないと心細い。

今回のバージョンはWindowsユーザーからの乗り換えを意識し、よりグラフィカルな動作へとシフトしてきている感じがする。アプリは最低限必要なものだけがインストールされており、それ以外は自分でインストールしてカスタマイズするようになっている。インストールの基本はソフトウェアセンターで、SnapdやFlatpakを意識することなくほぼ最新バージョンがインストールできるのが、初心者にも優しい。

難点

起動やアプリのインストールに多少時間がかかることを考えると、おそらく低スペックなマシンでは動作が重いだろう。以前筆者が感じたように、Ubuntuは低スペックなマシンには向かないようだ。しかし、Ubuntuにも他ディストリビューション同様低スペック用のXubuntuやLubuntuが用意されているので、心配はいらない。

ハードウェアとの相性

筆者が実験用に使用しているThinkpad X240は、Windowsで使用していた頃からハードウェアの調子が悪く、キーボード左下に手を置いたままタイプすると、カーソルが飛んでしまうことがよくある。それはLinuxに変えても同じだったが、今まで試してきたディストリビューションの中でLinux Mint Cinnamonだけはそのようなことはなかった。
そして今回Ubuntu 20.04 LTSをインストールしてみたところ、このディストリビューションでも安定したタイピングができる。どうもディストリビューションとハードウェアの相性があるのかもしれない。その点では、Ubuntu 20.04 LTSは合格だ。

まとめ

やはり、LinuxといったらUbuntuは正しいようだ。今まで、Windowsユーザーの乗り換えにはLinux Mintが一番だと思っていたが、最新バージョンのUbuntuを使ってみたら、こちらの方がより使い勝手が良さそうだ。
まもなくLinux Mintの最新バージョンがリリースされるようだが、そちらも気になるところだ。なぜなら、最新バージョンはこのUbuntu 20.04 LTSをベースに開発されるということだからだ。

まだまだUbuntu vs Linux Mintの結論は出せない。

コメント