ホテル予約はOTAよりオペレーター運営のホテルサイト~勝手に旅行理論

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イタリア・スルモーナのホテル客室

【イタリア・スルモーナのホテル客室】

エクスペディア、Booking.com、アゴダ、トリバゴなど、海外のOTA(オンライン・トラベル・エージェント、以下OTAと表記)といわれるホテル予約サイトや旅行総合サイトで、今は簡単に海外のホテルの予約が出来る。インターネットとスマートフォンの普及で、旅行手配は大きく変わった。

だが、本当に信頼できるホテル予約サイトはどれか?

長年旅行会社に在籍し、自ら旅行会社を運営している筆者が、ホテル予約サイトの選び方と、実際に業務で使用している信頼おけるサイトを紹介する。

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OTAの落とし穴:クレジットカード保証で二重支払に!?

OTAは、ほとんどが海外から来た黒船サイトだ。ページ自体は日本語に翻訳されて、わかりやすいように作られてはいるが、肝心なところが詳しく説明されていない。

そして、ほとんどが業界最安値ばかりを謳っているため、ホテルサイト本来の安心・信頼については二の次のように思われる。

例えば、トリバゴはサイト自体はホテルサイトではない、ただの比較ポータルサイトだ。

ここから別のホテルサイトを経由して予約することになるので、いざというとき、どこへクレームを入れればよいのか、わかりにくい。

今のところ、エクスペディアBooking.comが日本における二大ホテルサイトのようである。どちらもホテルによっては、クレジットカード保証が必要なことが多い。

クレジットカード保証については下記ページで書いているので、参考にしてほしい。

このクレジットカード保証が、OTAにおいては問題である。

実際に筆者の会社でもトラブルになりかけたことがあったので、その実例を書いておく。

クレジットカード保証が必要なホテルは、予約時に「保証」としてカード情報を入力する。OTAのサイトでは「これは予約保証に必要なもので、チェックイン時まで引き落としはありません。」といった記載がある。そう書かれていれば、ひとまず安心してカード情報を入力するだろう。

一方、アメリカ方面のホテルでは、チェックインの際にクレジットカードの提示を求めることが多い。これは、サインのみで利用することが出来るホテル内各施設(レストラン、スパ、バーなど)での請求漏れがないようにするためである。

さて、ここが問題だ。

予約時に予約保証としてクレジットカード情報を入力しているのに、再度チェックイン時にカードの提示を求められる。それだけでカード情報を二度提供しているのだ。

そしてチェックアウト時。

海外旅行に不慣れな人がフロントで精算するとき、精算書の内容をよく見ずにサインしている様子をよく見かける。チェックイン時にカードを提示しているから、何も言わなければそのまま精算は終了してしまう。

このとき、予約時すでに宿泊代が引き落とされていたら…。

チェックイン時に提示したカード情報により、精算時に宿泊代をその情報から引き落とすよう処理するだろう。つまり、

1.予約時に入力したカード情報
2.チェックイン時に提示したカード情報

の両方から、最終的に宿泊代を引き落とされる可能性があるということだ。

帰国後1カ月くらい経って、カード利用請求書が来た時にそれが判明する。そのとき重複請求であることを証明するのは、なかなかの重労働だ。

例えば、ホテル内で追加費用がかかるものを使用していない場合、鍵だけを返してチェックアウトしてしまう人が非常に多い。そのような人たちは、精算書をもらっていないことが多い。

重複請求の場合、予約確認書面と、チェックアウト時に渡される精算書などの領収書面で、重複請求されていることを証明しなければならない。

冒頭に戻ろう。OTAは、ほとんどが海外からの黒船サイトだ。

予約保証に関する記載は、一見詳しいようだが実は自動翻訳などで表記されているため、利用者によっては、本来の意味を取り違えてしまったり、内容をよく確認できずに予約を進めてしまうことが多いということだ。

特に支払い、取り消し及び変更の手数料に関する事項は、穴が開くほどよく読み返したほうが良い。読んでいると、いろいろな意味にとることが出来ることがある。

これがOTAの落とし穴だ。

緊急コールセンターがあるかないかで安心度が違う

旅行会社を運営する筆者は、お客様が旅行中はいつも落ち着かない。いつ、現地でトラブルに遭って緊急連絡が来るかもしれないからだ。

手配旅行でご案内することが多いため、航空券やホテルバウチャーなどをお客様へお渡しすれば、旅行会社としての債務は終了する。その後はお客様へ現地緊急連絡先をお渡しし、トラブル対処は自分で行ってもらうのが原則だ。

しかし、ホテル側のダブルブッキングや、入力ミスによって予約が入っていない、といった、チェックイン時に起こるトラブル対処はどうしたらよいか?

予約の経緯から支払に関する件まで、自力でフロントスタッフと直接話し合うことが出来るだろうか?

こんなとき、24時間対応の緊急コールセンターがあると安心だ。

ほとんどのコールセンターは、宿泊客に代わってフロントスタッフと直接電話で話してくれ、トラブルがどのようなものかを確認し対応してくれる。このコールセンターが日本人、又は日本語スタッフならなおさら安心だろう。

筆者がお客様のホテルを手配する際、必ずこの緊急コールセンターをおいているホテルサイトから予約を行う。そのほとんどは「ランド・オペレーター」といわれる、旅行会社に代わって現地手配を請け負うBtoB専門の会社だ。

そのランド・オペレーターが、最近は独自のホテル予約サイトを立ち上げて、BtoCで展開している。

本来の業務が、現地と日本の旅行会社を繋ぐ役目のランド・オペレーターが運営しているホテル予約サイトなら、上記のような落とし穴はない。日本のお客様に対するきめ細かい対応、及び海外の各ホテルに対する対応のどちらも熟知している。

そして、ランド・オペレーターが運営するホテル予約サイトは、必ずと言っていいほど24時間日本語対応の現地緊急連絡先を設けている。

ランド・オペレーターの本来の業務は現地でのオペレーションのため、海外のあちこちに現地事務所があるので、そこを緊急連絡先にしているのだ。現地支社には、日本人スタッフもいる。

一方OTAのホテル予約サイトではどうだろうか?

エクスペディアは販売ありきで、緊急サポートに関することはどこにも書いていない。おそらく予約確認書又はバウチャーには、緊急連絡先は書いてあるのだろうが、その連絡先は日本だ。電話で連絡するには高くつくだろう。

Booking.comも同様で、サイトにはそのようなことは全く書いていない。43か国に24時間サポートの電話番号はあるが、緊急コールセンターとしては案内されていない。トリバゴは、旅行会社から見たら問題外だ。

海外旅行経験は数知れず、どこでも自分で対応してきたという人には、緊急コールセンターは不要かもしれない。しかし、ほとんどの日本の旅行客は、これがあるとないとで安心度がだいぶ違うのではないだろうか?

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ここなら安心!ランド・オペレーター又はホテル専門の予約サイト

上記の通り、ランド・オペレーターが運営するホテル予約サイトが安心なことは、ご理解いただけただろう。

では、それはどのサイトなのか?

ここで、旅行会社を運営している筆者が普段業務でも使用している、信頼がおける海外ホテルの予約サイトを紹介する。旅行業界以外の一般の方用に用意されたウェブサイトなので、どなたでも利用できる。

「みゅう」ヨーロッパの個人旅行

もともとはミキ・トラベル・ロンドンという、ヨーロッパ専門のランド・オペレーター。

筆者が独立開業した時以来、ヨーロッパ方面の手配はほぼ全面的に依頼していたくらい、信頼のおける日本法人の会社だ。

ウェブサイトではホテル予約に限らず、空港送迎、現地発着観光ツアー、鉄道パスや乗車券など、様々なものが手配できる。そのため、航空券さえ自分で用意すれば、オリジナルのオーダーメイド旅行がこのサイトだけで出来上がる。

JHC

主にアジア、ハワイを中心に展開するランド・オペレーターの老舗サイト。パンダ・トラベルという現地オペレーション会社名は、アジア旅行をされた方なら聞いたことがあるだろう。

この会社の歴史はかなり古い。そして、古いだけでなく信頼がおける会社で、おそらく日本中の旅行会社が、一度は手配に利用したことがある日本法人の会社だ。

ホテリスタ(byアップルワールド)

旅行会社としては「アップルワールド」という名前の方がなじみがある、全世界対応のホテル専門サイト。一般利用客向けは「ホテリスタ」という名前でリブランドした。

料金はマルチベンダーシステムという、複数のランド・オペレーターから仕入れた料金を提示している一種のホテル比較サイトだが、そこは老舗のホテル専門サイト、予約手配に関しては信頼がおける会社だ。

緊急コールセンターは残念ながら日本にあるため、いざというときには電話代が少し高くつくかもしれない。

どの旅行会社も、おそらくエクスペディアやBooking.comのようなOTAサイトを手配のファーストチョイスにはしない。

値段よりも、信頼できるか否かがホテル手配における重要項目だからだ。

筆者の会社のオフィシャルブログには、アフィリエイトのため広告を貼ってはいるが、よっぽど探しているホテルが上記にない限り、使用していない。

ホテル予約は、便利で手軽なOTAよりもランド・オペレーターが運営するホテル予約サイトを選ぼう。

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