AlterLinuxのチームが開発したもう一つのSerene Linux|ざっくりLinux!- 89

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Serene Linuxデスクトップ

Alter Linuxといえば、当ブログでもイチオシの日本製Linux。

Fascode NETWORKさんが手がける、素晴らしいディストリビューションだ。

実は、彼らが開発するディストリビューションはもうひとつある。

それが、Serene Linux。

最近、Beta版ではあるがFedoraベースのSerene Linuxがリリースされたので、さっそくインストールして使い勝手を確かめてみた。

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Serene Linux Beta 9.1Fは低スペック向きではない

Fascode NETWORKさんのサイトを確認すると、Serene Linuxは以下のように紹介されている。

SereneLinuxはスペックが低い端末でも快適に作業ができることを目指したLinuxディストリビューションです。
メモリ使用量を極限まで抑えた超軽量設計や、初心者の方のLinuxライフをサポートする便利なソフトウェアを搭載。
Linuxとしては珍しい日本語でのサポートも完備されているため、Linux入門におすすめです。

しかし、この説明と合致するのは、おそらくその前のバージョン、Beta 8までだろう。なぜなら、Beta 8まではUbuntuをベースにしており、システム要件も以下の通りとされていた。

最低システム要件
1GHz, single core(x86_64)
1GB RAM
15GB or more storage

推奨システム要件
2Ghz, dual core(x86_64)
2GB RAM
25GB or more storage

上記の最低システム要件なら、多少古いくらいのPCなら、らくらくインストールできるはずだ。

しかし、FedoraベースのBeta 9.1Fでは、まだ公式のシステム要件が記載されていない。そこで、Fedoraのシステム要件を調べてみると、

2GHz dual core processor or faster
2GB System Memory
15GB unallocated drive space

が最低システム要件となっている。なので、Serene Linuxもこれが最低システム要件と捉えて良いだろう。

Alter Linuxは、32ビット/64ビットが用意されているが、Serene Linuxは64ビットのみ。

ということは、Serene Linuxはけっして低スペック向きではないということだ。

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Serene Linux Beta 9.1Fをインストール

インストールファイルは、Fascode NETWORKのサイトより。USBへの書き込みは、おなじみのBalena Etcherを推奨している。

USBから起動すると、Live画面となるので、画面左上のアイコンからインストーラを起動する。

インストーラは最初から日本語なので、特に問題はないだろう。インストール手順はFedoraと全く同じ。

念の為、今回もインストーラのスクリーンショットを掲載しておく。

Serene Linuxインストーラ1

Serene Linuxインストーラ2

Serene Linuxインストーラ3

Serene Linuxインストーラ4

Serene Linuxインストーラ5

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インストール後の設定について

インストール後のデスクトップ

再起動後のデスクトップは上記の通り。公式ブログによると、壁紙は自身で撮った画像を採用しているとのこと。主な特徴も書かれているので、ご一読あれ。

1番の特徴は、セキュリティ関連のLinuxカーネル制御機能、SELinuxを採用していること。これにより、システムの防御力が高まる。Beta8までは、SELinuxを採用していない。

デスクトップ環境はXfce。画面下にあるランチャーはMac風のCairo-Dockを採用。左端のアイコンからもメニューを開くことができる。

インストール終了・再起動後は、すでに日本語環境も整っており、最初から日本語入力のfcitx-mozcも設定済みのため、特に設定することはない。

独特なアプリ搭載

プリ・インストールされたアプリケーションのラインナップは、他のディストリビューションとは違い、独特だ。

Googleドキュメント画面

オフィス系アプリケーションは、Googleを採用している。LibreOfficeに慣れた筆者としては、ちょっと面食らう。
だが、Windowsに慣れている人であれば、Googleのスプレッドシートやドキュメントは、かえって使いやすいだろう。

デフォルトのメールは、高機能ながら軽快に使えるClaws Mailを採用。随所に「軽快に動作する」ことを考えている開発者の意図がうかがえる。

Linuxの良いところは、自分でカスタマイズできること。不要なアプリは削除し、必要なものは自由にインストールできる。

dnfdragora

ソフトウェアの追加と削除として、RedHat系のアプリ、dnfdragoraがインストールされている。個人的には使いにくいので、ここでGnome-Softwareをインストール。

すでにFlatpakはインストール済みなので、最新のアプリはFlathub(https://flathub.org/home)からダウンロードし、Gnome-Softwareを使ってインストールできる。

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Serene Linuxの総評

唯一、ネットワーク共有がうまくできず、今のところ、他のPCや外付HDDへアクセスすることができない。多分、筆者の知識不足だろう。

しかし、それを除けば、非常に使い勝手の良いディストリビューションであることは間違いない。

個人的にはAlter Linuxの方が好みだが、革新的な開発を続けるFedoraをベースとしているこのSerene Linuxも、なかなか捨て難いものだ。

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