OSの買替・入替はもうウンザリ!ローリングリリースのLinuxディストリビューション

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Bluestar Linux デスクトップ

先日、超ロングサポートでLinuxサーバーとして人気が高いCentOSが、固定リリースからローリングリリースに変更されると発表された。それにより、サーバーとして使用しているユーザーから不満の声が続出したようだ。頻繁にマイナーアップデートを行うローリングリリースでは、サーバー機能として使用するには大変だからということらしい。
だが、一般的なデスクトップ用OSとしては、ローリングリリースこそ最適だと筆者は考える。その理由と、人気のローリングリリース・ディストリビューションについてまとめてみた。

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なぜローリングリリースか?

Linuxには数年に一度メジャーアップデートする固定リリース方式と、ローリングリリース(セミ・ローリングリリースを含め)方式がある。一般的に知られているUbuntuやLinux Mintは、バージョン番号を用いた通常のリリース方式だ。一方、Arch LinuxやDebianなどは、バージョン番号を用いず頻繁にアップデートを行なっていくローリングリリース方式である。

問題になったCentOSも、2029年までサポート対象だった現在のバージョンのサポートを2021年で終了し、今後はローリングリリースのCentOS Streamに重心を移すと発表されたのだ。

では、なぜ固定リリース方式よりローリングリリース方式の方が良いのか?その理由は以下2点だと考えられる。

日々のアップデートで常に最新状態が保たれる

どのOSも、最新のセキュリティを保つために更新プログラムを日々アップデートしている。さらに、数年に一度の頻度で大幅なアップデートを含めたバージョンアップが行われる。
その代表的なのがWindowsだ。Windowsのバージョンアップは、Microsoft社の売り上げに大きく貢献する。だから、バージョンアップのたびに新しいイメージソフトを販売してきた。

しかし、オープンソフト・ソフトウェア(OSS)が主流になりつつある中で、バージョンアップのたびに費用をかける必要がどこにあるだろうか?

ちなみに、Windowsを使い続ければそれに伴うオフィスソフトのアップグレードがあるので、余計に費用がかかる。

OSのアップグレードのたびに新しいイメージファイルを利用してインストールする必要がない

Windowsに限らず、固定リリース方式の場合、新しいバージョンが発表されるとアップグレードのためのイメージソフトをダウンロードの上インストールする必要がある。例えば、Ubuntuはおよそ半年に1度バージョンアップされる。20.04といえば2020年4月バージョン、20.10といえば2020年10月バージョンというように、リリースした時をわかりやすくしているものもある。

慣れている人なら、その度に新しいイメージファイルをダウンロードしてインストールできるが、Linuxを使い始めた人はそうはいかない。長期サポートバージョン(LTS)にしても、数年に1度はこの作業をする必要がある。

だが、ローリングリリースはその必要がない。

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使いやすいローリングリリースのディストリビューション

LinuxはDebian系、Ubuntu系、Red Hut系、Arch Linux系などさまざまあるが、一般的にデスクトップ向けでよく知られるDebian、Ubuntu系は使いやすく、Linux導入のハードルが低い。

その中でローリングリリース方式を取っているのが、Debianだ。さらに、Debianは今でも32-bit版を通常リリースしているので、古いパソコンをLinux仕様にするときにも最適なディストリビューションと言えるだろう。

一方、パッケージ管理方式で馴染みにくいのがArch Linux系だ。主となるArch LinuxがGUIによる操作があまりなく、その派生ディストリビューションも端末操作によるものが多い。

しかし、その中で初心者にも使いやすいローリングリリース・ディストリビューションに、日本の学生が開発したAlter Linuxがある。このディストリビューションは、日本で開発されているので最初から日本語で表示され、端末を使う頻度を少なくするため、GUI操作に重点を置いているので、Linux初心者に優しい。

DistroWatchで人気上位のManjaro(Arch Linux)もGUI操作に重点を置いていて人気があるが、Alter Linuxには敵わない。そもそもDistroWatchのサイトはワールドワイドなので、世界中でどのディストリビューションが人気か、ということになる。

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注目のローリングリリース・ディストリビューション「Bluestar Linux」

DistroWatchが日本だけに特化しているわけではないとはいえ、Linux人気傾向を知るには良いサイトであることは確かだ。そこでローリングリリース方式を検索した結果、注目すべきはArch Linux系「Bluestar Linux」(冒頭画像)だろう。その理由は、

  • Macを意識した美しいKDE Plasma 5デスクトップ
  • 豊富なプリ・インストール・アプリケーション

だ。Arch Linux系のディストリビューションは、どちらかというと「質実剛健」のような物が多かったが、Bluestar Linuxは美しさに加えて遊び心も備えた、なかなかのディストリビューションだ。
KDE Plasma 5デスクトップのため、けっして軽いとは言えないが、Macの代わりに使うつもりならば、長く付き合えそうなディストリビューションだ。

しかし、インストールと設定にはかなり苦労した。インストール中のスクリーンショット方法がわからなかったので撮っておらず、また設定については下記記事を参考にさせてもらった。ブログ名も近く、最近お世話になっているブログだ。

まず、豊富なプリ・インストール・アプリケーションのため、インストール時間が非常に長い。途中で正常にインストールされているのかどうか心配になり、何度かやり直したため再起動までに5時間近くかかってしまった。

また、上記記事にも書かれていたとおり、リポジトリが海外のため時間がかかることもあり、再起動後にさまざまな設定を行わなければならない。
加えて、Arch Linux系は言葉がわからない。Googleさんと首っ引きで調べっぱなしである。

それでもなんとか設定でき、使い方もわかってくると、手間がかかっただけ愛着が湧いてくる。時間がある人は、ぜひトライしてみてほしい。

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Bluestar Linuxで覚えたArch Linux系のあれこれ

備忘録として以下を書き留めておく。

アプリケーション名の違い

Debian、Fedora系とも違うアプリケーション名には随分と戸惑った。

  • スクリーンショット –> Spectacle
  • ソフトウェアまたはSynapticパッケージマネージャ –> Octopi
  • ファイルマネージャ –> Dolphin

となる。名前から全く想像がつかない。

Bluestar Linux Octopi
パッケージマネージャ「Octopi」画面

このOctopiがパッケージマネージャだとわかっても、使い方がわからない。検索窓で必要なアプリケーション名を入力してヒットさせたのち、アプリ名を右クリックして「インストール」を選ぶ。しかし、そこではまだインストールされていない。画面上でCtrl+Yを打って初めてインストールするかどうかを聞かれる。この2段階インストールがわかるまで、散々ググってしまった。

パッケージ管理の基本は「pacman」だ。アップデートは

$ sudo pacman -Syyu

となる。端末でちょっとしたプラグインなどをインストールする際は、

$ sudo pacman -S ファイル名

となる。

samba設定

ネットワークファイルへのアクセス方法がわかるまで、だいぶ苦労した。sambaもプリ・インストールされているのだが、どうしても外付けHDDにアクセスできない。
原因は、普段と勝手が違うファイルマネージャ「Dolphin」が使いこなせていないだけだった。以下画像のように、ホーム画面でフォルダ名をダブルクリックすると、アドレスを入力できるようになる。そこへ外付けHDDのアドレスを「smb://」の後ろに打ち込むだけだった。

Bluestar Linux Dolphin

「Arch Linux系はファイル共有もできないのか!」と怒りたくなったが、なんのことはない、自分の知識不足であった。

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まとめ

ローリングリリースは、最初にあれこれ設定しておけば、その後は小さな更新で済むので、長く付き合えるリリース方式と言えそうだ。筆者のようなざっくり派には、小難しいArch Linux系はハードルが高いようだが、インストールや設定に苦労した分、少し自分のLinux知識が向上したような気にもさせてくれる。

【ざっくりLinux!のおすすめ本】

コメント

  1. 名無し より:

    現在のWindowsはローリングリリースに変わってますよ

    • Kazy Kazy より:

      お知らせくださり、有難うございます。
      最近Windowsから遠ざかっているため、まだWindows7あたりの感覚で書いていました。
      なるほど、ローリングリリースになったのは大躍進ですね。
      OSSにもなったのでしょうか?

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