「オシャレな」旅ってなんだろう?
旅行を仕事にしていると、旅行に関する様々なことを日々考える。旅に関するキーワードで、最近目に付くのは「オシャレな」旅や「オシャレな」ホテルといった言葉だ。
そこであらためて冒頭のようなことを考えてみる。
筆者は「オシャレ=スマート」な旅と考えており、オシャレな服で旅するとか、インスタ映えしそうなホテルに泊まるということとは少し違う。あえて漢字で書く「お洒落な旅」とはなにかを考察してみた。
「忙しくない」旅がお洒落
常々、自分で自分の旅を演出できるオーダーメイド旅行を提案している筆者としては、1~2泊で次の目的地に移動し、その結果何を見て、何を食べたかも忘れてしまうような忙しい旅はお洒落とは思わない。
エトランゼのまま旅先を離れることなく、その街に溶け込み、その街でまるで生活するように旅を楽しめること、それがお洒落だと思う。
そのためには一つの街に1週間くらい滞在できることが望ましい。とはいえ、なかなかそんな旅をする余裕がある人はいないだろう。「せっかくの海外旅行だからあの街もこの街も」といった詰め込みすぎの日程にせず、「ここ!」と決めた街だけを目的地にする、
そんなことが出来たらお洒落だろうなぁ。
1回の旅行で訪れるのは1~2都市に絞る、そのためには出発前の計画を入念に練り、思い切りも大切だ。
「スマート」こそお洒落
「スマート」というのは、「こざっぱりして、洒落ているさま。粋(いき)」ということ。まさに「お洒落=スマート」だ。これを旅行に当てはめると、バタバタしない、あくせくしないといったところだろうか?
持っていくものがスマート
一昔前は、海外でも米飯を食べたいからといって炊飯器をスーツケースに入れて持ってくる人がいた。また、カップラーメンを山のようにスーツケースに入れ、帰りはその分お土産でパンパンにして帰る人もいた。
これってスマート?
スーツケースに入りきらないほど着替えを入れていくことは、スマートではない。上述の通り、その街に溶け込むように旅するには普段着で十分だ。
普段自分が生活している近所で、一張羅を着ている人はいる?
ただし、旅先ではいろんなことが予想されるから、一張羅になり得る一着を持って行ったほうがいい。旅先で仲良くなった方のうちに招待されたら、さすがに普段着では行けないだろう。そうでなくても旅先では様々なシチュエーションがあるから、男性ならダークスーツ、それも旅行向けのしわにならないものを。女性ならドレス、男性同様しわになりにくいもの。かさばらない一張羅をスーツケースに入れておくべきだ。
そしてそれに合わせる靴も忘れないように。「足元を見る」というのは、靴を見ることなのだから。
旅先への荷物は出来るだけ身軽がスマートだと思う。その為のトラベルグッズはたくさんあるので、活用してみるのもいい。
振る舞いがスマート
日本人は個人でいる時は物静かでスマートなのだが、団体行動になると俄然行儀が悪くなる。スマートな旅行に団体旅行は合わない。
「郷に入っては郷に従え」の通り、その国のしきたりに従うこともスマートな振る舞いだ。何でも日本流で押し通すのはいただけない。
「コミュニケーション」がお洒落
日本人は海外へ出かけると、まず日本語ガイドや日本語スタッフを求める。しかし、そんな手助けはさほど必要ではない。
以前タイのプーケットにヴァカンスで出かけた時、ホテルの朝食会場で地元のスタッフに向かって、平気で日本語であれこれ話しかける大阪のおじちゃんがいた。朝からお酒を飲んでいたようで、気分も良かったのだろう。しかし、決してお行儀が悪いわけではない。そしてその一方通行のように感じた会話は、なぜか成立していた。追加のビールを頼むだけだったのだが、英語や地元の言葉など一言も話さないことには感服した。
自分も個人的な旅行の時には、日本語だけで通したいと思ったことがある。要は伝えたいことが伝わり、相手が望んでいることがわかればいいのだ。
そして、コミュニケーションはスマートでなくてはならない。訪れた国の言葉は、たとえ多少の単語だけでも覚えていったほうがいい。ペラペラでなくても良いから、お店やレストラン、様々な場所で地元の人達とのコミュニケーションを忘れない。これってスマートだと思う。
しかし、ツアーのガイドに頼り切ってしまっては、このようなコミュニケーションの機会は極端に少なくなる。お洒落な旅は個人旅行に勝るものはないと思う。
まとめ
あくまで筆者が考える「お洒落な旅」の独自定義をまとめてみた。それは、持ち物や着るものにこだわるのではなく、インスタ映えする場所へ行くことではない。
- 忙しくなく、
- スマートで、
- コミュニケーションを忘れない
そんな旅行が出来たら、きっと「お洒落」だろう。
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