2020年1月にはサポートが終了してしまうWindows7。現在会社で使用しているメインのPCはWindows7のため、早々に対策を立てねばならない。
2019年中に、完全にWindowsから脱却してLinuxに移行したいのだが、いくつか懸案がある。
そのうちのひとつが、会社のウェブ制作を支えるWebオーサリングツールの問題だ。
Webオーサリングツールとは?
まず、Webオーサリングツールとはどういうものか?
ブログしか書かないという人や、ホームページをWordpressで作ってしまう人には関係がなく、何のことやらといった感じの言葉だろう。
なので、ウィキペディアの説明を以下に張り付けておく。
要するに、htmlベタ打ちが苦手な人のウェブサイト制作を助ける、ブラウザで見る通りの画面で書くことが出来る(WYSIWYG、「What You See Is What You Get」の略)ソフトウェアのことである。
ホームページ作成ソフトといえば、思い出す人もいるだろう。
有料版では、老舗のホームページ・ビルダーやAdobeのDreamweaverが有名だが、マイクロソフトが開発終了のため、2012年より無償提供を始めたExpression Web4はかなりの高機能で、当社でもこれを利用している。
自分だけならテキストエディタだけでも良いが、社内全員がテキストエディタだけで、ウェブ制作が出来るわけではない。
やはり、画面上で仕上がり具合を確認しながら書いていくことが出来るオーサリングツールは、筆者本人も便利だと思う。
そして、このExpression Web4の素晴らしいところは、ウェブサイトのファイルが入っているフォルダー内全ての検索・置換が出来るので、ページ数の多い当社のウェブサイトの修正には重宝している。
しかし、冒頭に書いた通り、Windows7のサポート終了に伴い会社のシステムをLinuxに移行しようと考えているときに、このソフトがネックになる。
何しろマイクロソフト社のソフトなのだから、Macには対応しているがLinuxには対応していない。
Linuxに対応していて、なおかつ、WYSIWYG型Webオーサリングツールの代表的なソフトはBluegriffonだが、このソフトは勝手に改行するなど、苦心して制作したhtmlファイルの体裁を、ことごとく崩してしまう。
慣れると使い勝手が良いという人もいるが、筆者は、どうしてもこのソフトに慣れることは出来なかった。
Webオーサリングツールに匹敵するテキストエディタ
一方、テキストエディタは、古くからポピュラーなWindowsのみに対応した秀丸エディタやTeraPad、Linuxに対応したKateやGeditなど、軽いテキストエディタが代表的だ。
簡単に言えば、テキストエディタはWindows付属のメモ帳のようなもの。ウェブサイト制作はメモ帳やワードでも作れる。
しかし、軽量でサクサクベタ打ちが出来る半面、WYSIWYG型オーサリングソフト(ブラウザで見る通りの画面で書くことが出来る)のように、編集中のページをリアルタイムで確認しながら書いていくことは出来なかった。
ところが、だ。
Windows7のサポート終了にあわせて、改めてオーサリングツールとテキストエディタをあれこれ探してみると、ずいぶんウェブ制作界隈は変わってきたのだなと実感した。
「テキストエディタでWYSIWYG型はない」という概念を覆すテキストエディタが、登場してきていたのだ。
その代表が、タイトルにも書いた「Brackets」と「Adom」である。もちろんLinuxにも対応していることは確認済みだ。
Brackets
Bracketsは、Adobe社が開発するオープンソースのテキストエディタ。あのDreamweaverのコードエディタ部分に、Bracketsを採用している。
その最大の特徴は、ライブ・プレビューがあること(Google Chromeのみ反映)。完全なWYSIWYG型ではないが、打ったhtmlが、リアルタイムでプレビュー画面に反映される。
オープンソースであるため、さまざまな機能は、別途自分で拡張機能をインストールしていくことで使い勝手が決まっていく。
そして、現在も4ヶ月ごとに定期リリースされているバリバリの現役テキストエディタだ。ウェブ上では、多くのウェブデザイナーたちからの、このソフトに対する賞賛の声が上がっている。
このソフトを最初に見つけたときに、とっさに「Expression Web4に代わるテキストエディタはこれしかない!」と思ったのだが、実はこれだけではなかった。
それがこの後に紹介するAtomだ。
Adom
Atomは、GitHubが開発した、こちらもオープンソースのテキストエディタ。
やはり、最近のテキストエディタはライブ・プレビューが求められているのだろう、こちらにもその機能がある。
ただし、デフォルトで利用できるわけではなく、拡張機能をインストールしなければならない。それでも、拡張機能も含め無料なのだから、少し手間をかければ、やはり自分好みに使い勝手を決めていける。
両テキストエディタ使用後の比較結果
それぞれのテキストエディタの詳しい利用方法は、ネット上にあふれているので、ここであえてレビューを書く必要はない。
問題は、Linuxで利用でき、Expression Web4に代わるソフトとして使っていけるかどうか、という点だ。
そこで、実際にWindowsとLinuxにインストールした後、以下の点で両エディタを比較した。
- 各OSでの使用感
- インターフェイス
- それぞれの拡張機能
- 軽量か否か
公平に検証するため、デュアルブートPCのWindowsとLinux双方に、両エディタをインストールしてみた。
デュアルブートなのだからPCの性能に差はない。そして、当社ウェブサイトの各htmlファイルを開き、少し編集してみた。
Bluegriffonのように、ファイルの体裁を崩すことなく、どちらもテキストエディタとしては問題ない。しかし、さまざまな拡張機能がある分、TeraPadのように軽量ではない。
立ち上げたときの見た目はさほど変わらない。どちらも画面分割が出来、一方でライブ・プレビューを反映させれば、WYSIWYG型ソフトと変わりはない。
そして拡張機能だが、これも自分で使い勝手が良くなるように、さまざまなものが用意されていて、こちらも大差はない。どちらもExpression Web4同様、プロジェクト単位で検索・置き換えが可能で、かえってExpression Web4よりも検索は早いように感じる。
最終的に差が出たのは、4番目の軽量か否かという点だ。
Bracketsは、Windowsでは圧倒的に動きが遅く重い。
筆者のPCだけのことなのかもしれないが、業務で使う以上、この点は致命的である。Linuxでは多少軽く感じるが、それでも動きは遅いままだ。
一方、Atomは、立ち上げのときだけ多少時間はかかるものの、Bracketsと比べるとだいぶ軽量だ。Expression Web4も、TeraPadのような軽量エディタと比べるとだいぶ重いので、立ち上げのときだけ辛抱すれば、後は使用感に問題はない。
結論
重たいソフトは、日々の業務で妨げになる。どちらも使用し始めたばかりなので、長く使用していれば結果は変わってくるかもしれないが、当社では、より軽量なAtomをLinux環境で使用していくこととした。
しかしながら、いつも思うのだが、当社は何の会社なのか?いうまでもなく「旅行会社」である。
なのに、このブログでは旅行に関する記事よりも、ウェブ制作やブログに関することばかりだ。
旅行については、もうひとつの会社オフィシャルブログを見れば、当社が旅行会社であることは理解してもらえるはずだ。
コメント
この記事をテキストエディタについて共有していただきありがとうございます。 あなたの記事は非常に有益で、異なるテキストエディタについてもっと知るのに役立ちます。 ここでこの種の情報を共有し続けてください。 web制作 東京