普通の旅行会社員がSOHOで起業・継続できている訳19 - 2019年中にWindowsから脱却

Linux Mint Image
【Krator Omen [GPLv2], from Wikimedia Commons
以前コストダウンの一環として、社内Linux化について書いたことがある(以下参照)。古いPCにLinuxをインストールするところまでだったが、ちょうど1年後の2020年1月14日にWindows7のサポートが終了する。現在社内の環境は全てこのWindows7なので、これを機会に本格的にWindowsからの脱却を含め検討しなければならない。

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SOHOでは出来るだけコストダウンが必要だ。これまでにもコスト削減のため「自分達でできることは自分達で」を実行してきた。自分達で行うことはケチケチするというよりも、むしろいろいろなことにチャレンジできるところがおもしろい。そして「次はどこが削減できるか?」を考え、Windowsに頼っている社内環境をLinuxに変えていくことだった。

そのため、いま一度Linux導入について検討をはじめることにした。

ディストリビューションはLinux Mintに決定

Windowsの難点は頻繁にアップデートがあり、セキュリティのアップデートのはずなのに脆弱性があったりすることがあることだ。つい最近もKB4480970というアップデートにより、社内ネットワーク間のファイル共有が出来なくなるという致命的な不具合があった。これはまだ改善のアップデートが来ないので、この更新ファイルを削除して使用している。また、もっともウィルス攻撃されやすいOSでもある。
このようなOSであるにもかかわらず、日本のほとんどの企業はWindowsを使用している。当社も開業時は何の違和感もなくWindowsのPCでスタートしたが、数年に一度必ずOSをアップグレードしなければサポートされないこと、そしてアップグレードは有償であることから、Windowsを使い続けることに疑問を持ち始めたのがきっかけだ。小さなSOHOの会社のコストダウンとしては、OSをオープンソースに変更することは必要不可欠と感じた。

さて、数あるLinuxのディストリビューション(OSのこと)の中から選んだのは、UbuntuではなくLinux Mintだった。その理由は、
  • テスト用の古いPCにはUbuntuは重たかった
  • UIがよりWindowsに近く、移行しやすい
  • Ubuntu同様日本語サポートが充実していた
  • 初期設定が少なくすぐに使える
  • LTE(Long Term Edition)で2021年までのサポート、その後もフリーでLTEを更新可能
ことだ。以下はLinux Mintの公式サポートページで、ここからダウンロードできる。
ホームページ | Linux Mint Japan
さらに、Linux Mintの中にも以下の通り複数のEditionがある。Cinnamonが最もメモリ消費量が大きいフルバージョン、Xfaceが最も軽く古いPCでも違和感なく使用できる。
  1. Cinnamon
  2. Mate
  3. KDE
  4. Xfce
この中でスタンダードなMateをダウンロードし、古いThinkPad X41にインストールしてみた。導入前のシステムは以下のとおり。
  • メモリー:990.0MB
  • プロセッサ:Intel Pentium M processor 1.50MHz
  • ハード:40GB
古いPCでXPだったから、Windowsとのデュアルブート(2つのOSを1台のPCにインストールすること)にする必要はない。Windowsに上書きした。ダウンロード、インストールの方法は多くの人が書いているので、ここでは省略する。

Linux Mintの使用感

インストール後すぐに再起動して使用感を確かめる。確かにUbuntuと違い、さまざまな初期設定をすることなくすぐに使用できる点は良い。主なアプリケーションも最初からインストール済みだ。
しかし、上記環境ではやはり動作がにぶい。インターネットブラウザのFire Foxは、サクサクネットサーフィンすることができない。一方、Microsoft OfficeにあたるLibreOfficeなどは問題ないようで、オンラインで使用するアプリケーションはやはり重たいようだ。

そこで次に、現在使用しているThinkPad X240にWindows7とのデュアルブートにしてみた。このPCのシステムは以下のとおり。
  • メモリー:7.6GB
  • プロセッサ:Intel Core i7-4600U CPU @2.10GHz×4
  • ハード:500GB
ハードディスクはLinux用に70GBを割り当てた。そして古いPC同様インストールして再起動。結果は満足いく動きだった。

最近のPC(このPC自体もかなり古いものだが)ならば、かえってWindowsよりもLinux Mintのほうが動作が早く軽いということがわかった。

業務内容の整理とLinux移行の可否

次に、日常の業務で完全にLinuxに移行して問題ないものかどうかを検証する。
現在の当社の業務は、主に旅行に関するウェブサイトでの案内及びそこから申し込まれる旅行の手配が中心だ。それに付随して、日々ウェブサイトの管理、経理関連業務を行っている。
日々この業務を行うにあたり、完全にWindowsから脱却してLinuxに移行しても問題ないものか?

まずはメインの旅行業務から。現在は航空端末もインターネット、ホテルやその他手配もすべてネットで出来るようになっている。それはOSがWindowsだろうとLinuxだろうと変わりはない。使用するブラウザによって多少見た目が変わる程度なので、これは問題なし。

次にウェブサイト管理。以前このシリーズで書いた通り、まだまだテキストエディタだけで書いていけるような技術や知識に達していないため、どうしてもWYSIWYG型オーサリングソフト(ブラウザで見る通りの画面で書くことが出来る)が必要だ。現在使用しているのはMicrosoft Expressions Web4という、サポートが終了したためフリーソフトとなったもの。テキストエディタにはない、大量のhtmlファイルから一度に検索できたり置換が出来る点に魅力を感じて使い始めた。
ブログならオンライン上で書くことが出来るが、ウェブサイト制作はそうはいかない。htmlファイルをひとつひとつ制作し、FTPでサーバーにアップロードする。その作業は常に膨大で、このようなオーサリングソフトが必要となる。

残念なのは、このソフトはWindowsにしか対応していないということだ。そのため社内OSをLinuxに移行してしまったら、ウェブサイト制作に支障が出ることになる。Linuxに対応したWYSIWYG型オーサリングソフトは、現在Bluegriffonというソフトのみ。しかしこのソフトはいろいろくせがあり、業務で使用するには難がある。

最後に経理関連業務。通常の振替伝票、試算表、決算書などはMicrosoft Excelを使用しているので、Linuxへ移行してもLibreOfficeで対応可能だ。唯一対応できないものとして、データベース形式の売上台帳にXP時代から使用しているファイルメーカーPro5.5を使用している。これもWindows版のため、Linuxには対応していない。LibreOfficeもデータベースに対応しているが、長い間ファイルメーカーに慣れてしまったためOffice系のデータベースに対応できない。

現時点での懸案事項は、ウェブオーサリングソフトとデータベースソフトということがわかった。

アプリケーションの再検証

Linux化についてはずいぶん長い間検討しているが、日々の業務に追われなかなか進んでいなかった。上述の懸案事項も、同様に保留のままだった。Windows7のサポート終了を1年後に控え、今年の年頭からそのようなニュースやネットの情報が増え始め、あらためてLinux化を再検討し始めたところだ。そして上記懸案事項について、ひとつ解決の糸口が見えた。

Linuxに対応したWYSIWYG型オーサリングソフトはいまだ使用に耐えないBluegriffonだけだが、ここへきて様々なウェブデザイナーが称賛する新たなテキストエディタの存在を知った。Adobe Systemsが現在も開発し続けていながらオープンソースのBracketsだ。このテキストエディタはMac、Windows、Linuxいずれにも対応しているので、Linux化にも問題はない。

WYSIWYGには対応していないが、このエディタの最大の特徴である「ライブプレビュー」機能というものがある。ファイルを開き、ライブプレビューボタンをクリックするとGoogle Chromeが立ち上がり、編集している内容がリアルタイムでChromeに反映する。この機能については数多くの人が称賛して書いているので、検索してみてほしい。
そして、これならWYSIWYG型オーサリングソフトの代替ソフトとして通用できると考え、さっそくダウンロードしてみた。

使用感としては、Windowsでの動作は重たいものの、Linuxでの動作は何ら問題ない。むしろMicrosoft Expressions Web4より軽い感じがする。そしてもう一つの機能としては、テキストエディタではフォルダ内の一斉検索が出来ないものがほとんどだが、Bracketsはそれが可能だ。つまり、ウェブサイトすべてのhtmlファイルで一斉置換が必要な場合にも対応している。

このアプリケーションを社内で検討し、新たなウェブサイト制作のためのアプリケーションとして位置づけよう。

あとはファイルメーカーに代わるアプリケーションだ。

旅行会社を運営する体験談として書いているこのシリーズだが、今回の記事は旅行会社というよりはウェブデザイナーになるための記事のようになってしまった。それくらい、当社の日々の業務でウェブ制作の比重が大きいということだ。ウェブサイトが充実していないと、ネット中心の会社へお客様は寄ってこない。
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