SOHOによる旅行会社の作り方14 - 楽しくなければ仕事じゃない

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現在これを読んでいる人は、自分の仕事を楽しいと思っているだろうか?

旅行業を目指す人は、十中八九「旅」が好きな人だと思っている。そして「旅」を仕事にしたいと思って旅行業を目指し、旅行業に就いている。だが会社の歯車として働いていると、希望する仕事に就けていない人も多いかもしれない。

SOHOで旅行会社を運営するということは、自分の会社で自分のやりたい旅行の仕事が出来るということだ。いずれ中途半端な旅行会社は消滅し、巨大旅行会社か小さいけれども他にまねできないことをしている旅行会社だけが残る時代になるだろう。そのとき、生活のためにしたくない仕事をしなければならなくなることを避けるにはどうしたらよいか?

「好き」を仕事にできているか?

20代の時に中学校の同級生とキャンプに出かけたことがあった。とりわけ仲が良かった4人で、今でも交流がある友達だ。お互いやっと仕事にも慣れてきた頃だったので、キャンプファイヤーを囲みながら仕事のことをあれこれ話していた。すると、それぞれの仕事に対する考え方で真っ二つに意見が分かれた。
それは「好きな仕事」をしているか否かだ。自分ともう一人(歯科技工士、やがて独立した)は望んでその世界に飛び込み、結果「好きな仕事」をしているつもりだった。もう2人はサラリーマンだ。そのうち一人は誰もが知っている大企業に入ることが出来たのに仕事は生活のためで、好きでやっているわけではないという。その後も意見は分かれたままだ。

例えば、音楽に目覚めてバンド活動にいそしめば「音楽で食べていければいいな」と考えるものだ。だが実際はそんなに世の中甘くはない。例え音楽の仕事に就いたとしても、仕事としての音楽と趣味としての音楽が違うことは誰でも知っている。
しかし、旅行は少し事情が違う。「旅行業」という仕事自体を好きになったら、それは趣味から高じた音楽とは違うものだ。

話は変わるが、以前勤めていた会社で、わざわざ航空業界華やかなりし頃エールフランスの日本社長を務めた人を会社に迎えたことがあった。その時筆者はその会社ではまだ新人で、業界のレジェンドともいえるその社長が講師を務める、週1回の新人教育講座に参加していた。その講座で社長が話した言葉の中で今でも覚えているのは、

「仕事は単なる人生の手段であって、目的であってはならない」

ということだった。
仕事に打ち込みすぎて人生の大半を仕事漬けにするようなことはするな、と言いたかったのだろう。それは生き方において大切なことだとは思うが、今の自分はおそらくその真逆である。仕事自体は大変だが、旅行という仕事に生きがいを感じ「仕事=人生」そのものの毎日だ。
今はその社長も亡くなって久しいが、慕っていた社長の言葉の真逆を突き進んでいることに、なんら違和感はない。

楽しくなければ仕事じゃない

どの業界も同じだとは思うが、特に旅行業は、自分が楽しんでいなければお客様が楽しめるような旅行を提供できないと思う。お客様と同じように様々な旅行を体験し、様々な土地の風、匂い、音、光と影のうつろう様子を五感で感じることが必要だ。その環境下で旅をしていることに喜びを感じることが、次の新たな旅行提案のエネルギーとなる。

しかし、旅行会社にいても歯車の一つとなって直接お客様と対面することもせず(リアルであれデジタルであれ)、ともすればブラックと言われるような会社で遅くまで残業していては、上述のようなことを感じる機会を持つことが出来ない。少なくとも、楽しんで仕事をしているだろうか?

SOHOは自分がやりたいと思う仕事をもとに、独立起業して運営していく仕事のスタイルのひとつだ。少人数性とオフィスにかけるコストを削減することによって、スリムな会社運営が出来る分、やりたい仕事に集中できる。
旅行企画を目指して業界に入った人であれば、好きなだけ企画を立てることが出来る。それが売上につながるか否かは別として、アイデア次第で会社を伸ばしていくことが出来る。

今現在、筆者は旅行業以外のことも全て自分及び少ないスタッフでこなしている。旅行業だけにどっぷりと浸かっているわけではないが、行っている仕事全てに興味があり、それをできる限り伸ばしていきたいと思っている。そしてそれは「やりがい」というものだ。

楽しくなければ仕事じゃない、というのは、この至極単純で誰もが知っている「やりがい」を感じるかどうかで、旅行というある種特殊な仕事だけが得られないものではなく、誰にでもその要素を見つけることが出来るはずだ。そして上述の、一緒にキャンプに出かけた同級生の友達も、「やりがい」さえ見つければ、生活のための仕事ではなくなっただろう。

旅行業は特別な業種ではない、サラリーマンともカフェで働く人とも同じ「仕事」だ。

おまけ

「SOHOによる旅行会社の作り方」というタイトルで、すでに14回もだらだらと書き続けている。タイトルから想像すると、「How Toもの」のように思われがちだが、実のところ書いていることは何ら人の役に立つ記事ではない。
これは筆者の実体験によるもので、こういうことをやってきたから今なんとかSOHOの会社を続けていられる、という、単なる体験談と受け取ってもらえれば、非常にありがたい。
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